和の心 20150304 仕込みさん2

「仕込みさん」とは 舞妓の言葉1 京都花街 

 

 

西尾久美子さんの「京都花街、人育ての極意 「舞妓の言葉」より

350年の伝統が育んだ、キャリアを支える「励み、癒し、気づき」の言葉には学びがたくさんありそうです。

 

京都花街で舞妓さんになるためには、デビューする前の準備期間から希望者を引き受けてくれる置屋(京都では屋形と呼ぶことがおおいです)に住み込み、生活を通じて指導や教育を受ける必要があります。

舞妓さんを目指して置屋で修行生活をする少女の事を「仕込みさん」と呼びます。

 

舞妓さんになれるのは十五歳から十八歳くらいまでの女性です。

年齢と性別以外のことが、舞妓さんになるための条件として厳しく問われることはありません。

要は、本人のやる気と保護者の了解、そして彼女の育成を引き受けてくれる置屋があれば、京都花街で舞妓さんになることができます。

 

仕込みさんから舞妓さんを経て自前芸奴さんとして独立するまで、置屋で住み込み生活をする期間は年季と呼ばれ、生活費の面倒もお稽古にかかる費用も、また高額な衣裳も、すべて置屋が面倒を見てくれます。

舞妓さんになりたいという希望と努力を続ける意思、そして健康な身体が、彼女たちの提供する資本です。

それを見込んで置屋のお母さんが愛情や専門知識、金銭的な資本を注いで数年かけて一人前の舞子さんに育て上げます。

採用し育成する専門の事業者が、若年者の意欲を汲み専門家に育成しているのが、京都花街という業界の特色です。

 

仕込みさんの期間は街によって異なりますが、舞妓さんとしてデビューするまでに約一年の修業期間が必要とされています。

まず、舞妓さんの基本技能である日本舞踊のお稽古をする、また、住み込みの日常生活の中で、花街の習慣を覚え、その生活に慣れ、京ことばを身につけます。

着物を自分で着られるようになることも必要です。

仕込みさんの間は、お化粧はせず、髪の毛も簡単にまとめ、普段着で暮らします。

髪の毛が短い少女たちは、舞妓さんデビューに備えて、日本髪が結えるように伸ばす必要もあります。

お下げにした少女が、伸びた髪をお団子にまとめて、普段着の着物姿が板についてくるまでには、それほど時間はかかりません。

 

しかし、仕込みさんの期間に応じて髪の毛が伸びていくように、求められる能力を花街での生活時間とともに伸ばすことは、現代っ子の少女たちにとってそう簡単ではありません。

芸事を身につけることはもちろん必要ですが、舞妓さんになったときに、お座敷の現場で周囲のの人からいろいろ教えてもらい、そのことを素直に吸収できる「乾いた真っ白なスポンジ」のような気持ちを育てていくことが大切だと、ある置屋のお母さんが話してくれました。

 

仕込みさんの期間は、花街の生活に慣れることと同時に、おもてなしの第一線に立つ日を迎えるために必要な心構えを育む言葉が、置屋のお母さんから注意深くかけられます。

 

 

ひと昔前に「花嫁修業」なる言葉がありました。

まだまだ女性が職につくことの少ない時代、一人前の人になるための教えがそこにあったのでしょうね。

現代、学校でも職場でも単なる知識は教えてくれるかもしれませんが、自分を磨くために必要なことは教えてくれてないのでは。

花街には自分を磨くことがたくさんあります。

さあ、次回より一緒に学んでいきませんか。