花街のお茶屋さんとは?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

 

「お茶屋」というのは、お座敷をコーディネートする職業のこと。

芸妓さんや舞妓さんたちを呼んで楽しい場を提供するお店です。

お茶屋というこの呼び名は、花街がもともと、八坂神社、北野社などへの参詣客のための茶店が発展してできた、という歴史に由来します。

そのためでしょうか、お茶屋と茶店が混同されて「tea house」と英訳されることがあるそうです。

しかし、お茶屋の「お母さん」と呼ばれる経営者は「一見さんお断り」といわれる完全会員制度のもと、お客さんの好みや利用の目的にあわせて、芸舞妓さんや料理などを手配し、お座敷のしつらえを組み立てる、まるでイベントのコーディネーター兼プロデューサーのような役割を担っています。

さらにお客さまが相談すれば、料理屋や二次会の場所の紹介、お土産や宿泊先の手配までしてくれることもあります。

そして、このような場合は、かかった経費はすべてお茶屋が立て替えて支払い、後日お座敷の利用に関する分とお茶屋の紹介でお客さんが利用した二次会の経費や宿泊代をまとめてお客さんに請求することになります。

お茶屋のつくりは、いわゆる「ウナギの寝床」と呼ばれる、間口が狭く奥行きが深い京町屋のつくりになっています。

まず格子戸をくぐると玄関の間があり、お座敷のある二階へ続く階段がすぐ見えます。

お客さんはすぐ二階へ案内されますが、この二階には板の間の踊り場に面して二~三部屋の座敷があることが多いです。

二階がお座敷というおもてなしの空間だとすると、一階部分はプライベートな空間の意味合いが強いです。

玄関の間の次の部屋はお台所と呼ばれますが、この京町屋のお台所はいわゆるキッチンのような場所ではなく、事務室兼居間のような部屋です。

このお台所の次は奥の間で、お母さんの部屋となっています。

そのさらに奥に中庭があり、中庭を囲む縁側にそって洗面所や便所があります。

また、中庭のむこうに「離れ」と呼ばれる奥座敷があることもあります。

 

このようなお茶屋は、そう簡単に新規開業できるものではありません。

開業のためには、花街の習慣に明るいこと、花街の中に適当な場所とお茶屋らしい建物を確保すること、一見さんお断りであるから開業当初からある程度の贔屓客をもっていること、お客の立て替えができるキャッシュフローを有すること、花街の芸舞妓さんとも顔なじみでかつ彼女たちの技量を把握したうえでスムーズな手配が可能であること、料理屋とのつながりがあり、お客さんのニーズにあわせた仕出しの無理を聞いてもらえることなど、いくつもの条件が考えられます。

こうしたことからも、お茶屋のお母さんがもつ技能の複雑さとその専門性の高さがわかりますね。

 

 



  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。

Translate »