和の心 20150604 置屋

花街の置屋さんとは?

 

 

前回はお茶屋さんについて書きましたが、今回は置屋さん。

 

置屋は日本全国で通じる一般的な呼称ですが、京都花街では置屋のことを屋形あるいは子方屋(こかたや)と呼ぶことが多いです。

この花街ならではのお店は、若い女性に芸事やしきたりを教え、着物を用意して、舞妓さんや芸妓さんとしてお茶屋へ送り出します。

いわば芸能プロダクションのようなところですね。

置屋から見れば、芸舞妓さんたちは、置屋が抱えるタレントのような存在です。

置屋でお母さんと呼ばれるのは経営者の女性で、彼女が暮らす住まいに、舞妓さんやまだ年季のあけていない芸妓さんが住み込んで暮らしています。

置屋のお母さんは、自前さんになる前の芸舞妓さんたちと生活をともにして、芸事や花街のしきたり、京言葉だけでなく、箸の上げ下ろしなど日常生活のマナーについても、毎日毎日、生活の中で繰り返し辛抱強く教育にあたっているのです。

 

お茶屋には組合がありますが、置屋には組合組織はありません、これは置屋が芸舞妓さんの教育の場であり、芸舞妓さんについて詳しくないと事実上開業が不可能であるために、許可制を敷く必要がないからだと花街関係者は語っています。

置屋のお母さんは、自分も舞妓さんや芸妓さんとしての経験があるのが普通です。

芸舞妓さんの装束や花街のしきたりは、経験がないときちんとわからないことが多いからです。

また、芸舞妓さんの仕事内容については、お座敷の経験がないと指導できず、未経験者が育成責任者としてお座敷での立ち居振る舞いなどの必要な技術を教えることは困難です。

たとえば、自分がだらりの帯を締めた経験がないと、その装束での動き方のコツなどは教えることが難しいです。

お座敷で帯がばたばたしないように片手で押さえて動くことなどは自分に経験があり身についているからこそ、具体的に教えることができるのです。

お化粧の方法をとってみても、その経験の重要性はすぐにわかります。

このように置屋のお母さんもお茶屋のお母さんと同様に、専門性が非常に高く、他の業界から参入することが事実上、不可能に近いのです。

(文:おもてないの仕組み:西尾久美子)

 

置屋のお母さんの教育、日常生活のマナーなど、昔は家庭で当たり前に教えてきたことも多いでしょうね。

のぞきに行きたいですね、お母さんの教育。

今、何よりも大切なことがそこには詰まっているような気がします。