千本鳥居と神秘的な白狐といえば、お稲荷さん。

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 「お稲荷さん」の通称で親しまれ、全国3万社に上る稲荷神社の総本宮、伏見稲荷大社。

五穀豊穣、商売繁盛、家内安全とご利益は幅広いが、明日10日には毎年「田植祭」が行われ、農耕民族の変わらぬ願いを垣間見ることが出来ます。

失礼ながら、かつて江戸ではよくあるもののたとえとして伊勢屋稲荷に犬の糞」といわれたほど親しまれたお稲荷さん。

ご祭神は稲荷大神で、お狐さんは神の使いと知ってました?

和の心 20150609 伏見稲荷4

「稲荷に思いおこして詣でるために・・・」(稲荷大社に決心してお参りしたところ)ろ、清少納言が「枕草子」に書いていますが、これは、今でいうところの「お山する」です。

清少納言は稲荷山に登ろうと出かけたものの、途中で疲れ切って休んでいたら、軽々とお参りを済ませた女性をみかけ「今すぐなり代わりたいものだ」とグチるのです。

気の毒ですがちょっとおかしいですね。

平安時代にはすでに「稲荷詣で」が信仰を集め、女性に人気があったことがわかります。

和の心 20150609 伏見稲荷5

伏見稲荷大社の創建は、平安京が造られる以前の711年にさかのぼります。

山城国と呼ばれた当時の京都では渡来系氏族の秦氏が栄えていましたが、おごって餅を的に矢を射たところ、その餅が白い鳥になってとある山に降り立ちます。

そこに稲が生えたので、社の名としたといいます。

「山城国風土記」が伝える起源です。

ご祭神は宇迦之御魂大神など。

食物、なかでも特に稲をつかさどる神です。

農耕神からさらに商売や福徳へとご利益は広がり、個人の屋敷や会社を守る「屋敷神」などとしても広く民衆の信仰を集めました。

豊穣のイメージがあってか、女神の姿で描かれてることが多く(一方で老翁の場合もあります)、女性にとっても親しみやすい神だったでしょう。

ところで、お稲荷さんといえば狐がつきものですが、役割は神の使いです。

なぜ狐かというと、フサフサした尻尾が稲穂を連想させるとか、農耕では害獣のネズミを捕まえるので神聖視されたという解釈もいろいろ。

新美南吉作の童話「ごんきつね」もそうですが、狐は里山によく出没した人間とはなじみ深い動物であり、里と山とを行き来するその習性から「使い」と考えるようになった、との説もあります。

(文:産経新聞「誘惑する京都」・山上直子)

(写真:京都で定年後生活さんより)

 

 



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