和の心 20150728 舞子

頭で考える前に、おいど動かさんと

 

 

舞妓さんは、おもてなしを担うサービス・プロフェッショナルだ。

夏の暑い川床で、一人で複数のお客さまと会話を重ねながら、お客さまから催促される前にお銚子やビールをとりに行くために何度も立ったり座ったりしても、涼しげな笑顔を絶やすことはない。

また、早朝から衣裳を身につけて新幹線を利用して出張に出かけるときも、一緒に行動する先輩の芸舞妓さんたちやお母さんたちに何くれとなく気を遣って行動する。

たまたま新幹線の同じ車両に乗り合わせた舞妓さんが、面識がある私に気がつくと、「先生も、東京行どすか」と挨拶を欠かさないほどだ。

そんな舞妓さんになるために、仕込みさんの時代に言われるのは、「頭で考える前に、おいど動かさんと」という言葉だ。

京ことばで「おいど」は「お尻」という意味だから「頭で考える前に、お尻を上げて行動に移さないといけない」ということを教える言葉だ。

ある置屋のお母さんは、この言葉に込めた意味を、

「今の仕込みさんたちは、早くても中学卒業後、高校を中途で辞めてくる場合もあり、ある程度の年齢になっているので、どうしても頭で考えて行動があとからついてくることが多いんですよ。それで、舞妓さんになりたいと思ってここに来た仕込みさんには、頭で考える前に、動くことが大事、そうしないと、お座敷で舞妓さんらしい仕事はできないのだと教えています。

と説明する、さらに、

「うちがなんでこれをせなあかんねん、とか、なんで〇〇さんに言われなあかんねん、とか思う、そのことがマイナス。そんなことを思っていたら、頭で考えてからでないと体が動かない、それではあかん、と。どうしたらええかなぁ、と自分の頭の中で考える10分よりも、周囲の人に聞いて三分で動いたほうが早いやろう」

と、仕込みさんにより具体的に話すと、この言葉の意味が納得できるようだ。

仕込みさんの期間は短い。

その間に、この言葉を実践できるようにならないと、舞妓さんとしてデビューしたときに現場で困るのは、彼女自身なのだ。

「おいどを動かす」のは、お客さまへより良いおもてなしを提供するためであるのと同時に、将来の自分のためでもある。

(文:京都花街、人育ての極意「舞妓の言葉」:西尾久美子著)

 

「考える前においど動かさんと」、本当にその通りですね。

小さい頃お母さんに言われませんでしたか、「屁理屈言ってないでさっさとするの」って。

よく怒られてましたね(笑)

仕込みさん、舞妓さん時代の教え、お客さまのためだけでなく自分の為。

昔はお家でこのようなお行儀が当たり前に躾けられていたのに、今ではどこへいってしまったのでしょうか。

前から思っていたのですが、置屋のおかみさんに、舞妓学校と称して、和の教えが出来る学校を作るのはいかがでしょうか。

もちろんおかみさんはとってもお忙しいから難しいでしょうが、んー、舞妓学校作りたいです!

(写真:京都旅屋さん:http://goo.gl/a1jnuR