和の心 20150821 お祀り

「おまつり」 にほんよいくに・絵本より

 

日本は外国の物質文明が入ってきて、たくさんの物に囲まれ生活は豊かになりました。

しかし長い歴史の中で培われ、祖先が伝えてきた日本の文化は、だんだん消えつつあります。

ところで、いろいろな伝統文化のうち多くが、特に神社のお祭りとして残っています。

それは、日本独自のもの以外にも、外国から入ってきた芸能があり、もとの国では滅びてしまったものの、日本では連綿と伝えられたものたちです。

ですが、今日は、お祭りだけでなく日本文化全体への関心が薄くなっており、とても残念です。

 

「じんじゃでは、いろいろなおまつりをします。

神さまに、あさごはんや、ばんごはんをさしあげる、まいにちのおまつり。

つきごとに、おこなわれるおまつり。

しゅうかくをいわう、あきまつり。

きせつごとの、いろんなおまつりがある。

なにをしているんだろう?

みんな、かわった、かっこうをしているね。

ごはんや、おさけや、くだものの、おそなえものをはこぶ、かんぬしさん。

むずかしいことばを、おごそかにとなえている人もいる。

きれいなみこさんが、歌にあわせて、ゆっくり、ゆっくり、まっている。

あれは、なにをしているのかな。」

 

お祭りというのは、ひたすら神様に喜んでいただくことだけを考えて奉仕するもので、もともとは自分の願いごとのために行っているのではありません。

お祭の内容は、祭の主旨や各神社のしきたりで少しずつ違いますが、春日大社で毎月行われる旬祭(月並祭)では、およそ次のようになっています。

「お祓い」

はじめに、お供え物、神職、参列の方をお祓いして清め、知らない間についてしまっ罪穢れを祓っておきます。

尊い神様の近くに寄ってお祭りをするのに、穢れていて、それを神様にお移ししては恐れ多いので、より清浄に近づこうとするのです。

「献饌(けんせん)」

お供え物を、御神前にさし上げます。

見た目もきれいに盛り付けた、米、酒、塩、水、季節の野菜や果物、魚、餢飳(ぶと)(昔の揚げ菓子)などです。

本来は地元で採れたものをお供えし、神様のおかげで多くのものが収穫できましたと感謝して、捧げているのです。

肉や匂いのきつい野菜は避けます。

「祝詞(のりと)」

宮司が、神様を褒め称える祝詞を申し上げます。

流麗な日本語で書かれた祝詞は、それだけでなにか圧倒される力を感じます。

皆、頭をさげて聞き入ります。

「大祓詞(おおはらえことば)」

全員で大祓詞を奏上します。

これは無我になって唱えると、神様の世界をみることが出来るというすばらしい神様のお言葉です。

「神楽(かぐら)」

昔から伝えられてきた、神様を称える神楽歌にあわせて、きれいな巫女さんが神楽を舞い、神様を御慰みします。

「拝礼」

参列の皆さまが、玉串を奉り、二礼二拍手一礼の作法でお参りします。

「撤饌(てっせん)」

先ほどさし上げたお供え物を、さげてきます。

 

このように、自分のことではなくて神様のことを一番に考えて心を砕くというのは、日本人独特の精神文化の現れだと思います。

昔の人は、一番素晴らしいのは神様だと知っていました。

神様を認めると、神様のすばらし力を分けてもらって幸せな生活が出来る、だから毎日欠かさず神祀りを行っているのです。

しかし、我欲を優先し、他人などどうでもいいと思う人が増えてしまったために日本の文化は消え、混乱した社会になってしまいました。

今こそもう一度、神社のお祭をよく見て、その根本にある日本人の文化に目覚めなければならないと思うのです。