おもてなし

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「心の荷物をおろす場所」 (丹生川上神社下社 皆見元久著)より。

 

おもてなしは決してお金をかけることではなく、そっと心を添えること、そして気づかれないこと、相手の気持ちの揺れを最小限にとどめてもらうこと、それが本当のおもてなしだと思います。

 

平成十八年、おもてなしの本来の姿を求めて奈良に「リストランテ直会倶楽部」を設立しました。

きっかけは、日本の精神文化を学びに来日していたイタリア人アンドレア君との出会いです。

彼の「今日の日本には自分たちが思う日本人がいない」という言葉が胸を刺しました。

そんな彼をマネージャーに迎え、日本人の心を伝えるレストランを開きたいと思いました。

静かな農村に佇む農家レストランです。

開店に当たって一番に気になったのは地元への迷惑でした。

地元の人しか通らない静かな村ですから不安はありましたが、皆さんの理解を得て開店させていただきました。

幹線道路からはずれた場所に人は来るわけもなく、看板も「直会」と読みにくく耳慣れないもの、そこに「倶楽部」ですからなおさらです。

裏には「今に感謝」の言葉、店の前で入る勇気はなく帰るお客さまも多くいました。

恐る恐る入って来るお客さまが古農家住宅で畳の間に靴をねいで上り、障子扉を開くと完全フローリングでテーブル席、窓にイタリア語で「人は、人のために生き、生かされる」の言葉。

そこから見える庭には一本の梅と、奥には納戸、供されるパスタはシンプルで素材が生かされています。

多くの驚きにたまたま来た人は、なぜ、神主さんがこんなことをと思い、人から人に噂は伝わりました。

一年あまりで多くの方が来店してくれるお店になり、やがて完全予約制のようなお店に成長しました。

看板もなくまったく宣伝をしない運営をしましたが、自分たちの理念は間違っていなかったと感じました。

さりげない気持ちの伝え方、心の添え方、その文化が日本の「おもてなし」の心と思っています。

夏目漱石の「道草」の一節に「みんな金が欲しいのだ、そうして金より外には何もほしくないのだ」の言葉があります。

結果やお金を優先させれば気持ちが萎える、そんなことを忠告しているように感じます。

 

「今日の日本には自分たちが思う日本人がいない」という言葉、胸を刺しますね。

現実なんでしょうね。

悲しいことです。

でも、本当の日本人とはどのような日本人なのでしょうか。

誰を見習えばいいのでしょうか。

どこか教えてくれるところがあるのでしょうか。

そのような所がいっぱいあればいいですね。

 

 



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