糸偏の字~10月の字

折々の書

糸偏の字~10月の字

瀬原さんは大きな紙だけでなく板、壁などにも自由に書いてきた書道家です。 彼女の書のおもしろさを、いつもとは違う表現で見たいと思い、ほぼB0 の大判ポスターに近いサイズの厚紙を用意しました。
約1m×1,4m サイズです。

そんな大きな紙だから、きっと大きな文字を書くだろうと思っていました。予想通り、紙の対角線上に薄めの墨でささっと串団子の絵のような大きな字を書きました。韻字ような字です。何だろう?と思っていると、彼女はその串団子の上に小さな文字をいくつも書き始めました。

最初の字は「冬」です。その次が「白」、「広」・・・と続きます。その字たちには何の関連も脈絡もなさそうです。でも、彼女は次々と書いていきます。「光」や「成」という字もあります。
どんどん書き進め、ついに最後の字となりました。

最後の字、67 番目は「売」でした。中には読めない字も多くあります。何だろう、何を書いたのだろうと書き終えたすべての字を眺めてもわかりません。一歩下がって全体を見てみました。
そのとき、それぞれの字が読めたのです。すべて「糸偏」の字だったのです。

「糸」偏に「冬」で「終」。「白」は「絈」、「広」は「絋」です。67 番目の最後の字「売」は「続」です。

おもしろかったです。謎解きのような書道でした。
しかも、最初の「終」を書き、最後に「続」と書く洒落っ気もあって、とても楽しめた書道ライブでした。

5月の書15月の書2こんな感じで書き進めていきます。

どんどん「糸偏」がない字を書いていきます。いよいよ終盤に差しかかってもまだ何の字を書いていっているのかわかりません。

5月の書最後の字、「売」を書き終わって完成したのがこの作品。

最初の字と最後の字を何度も見て、ようやくすべては「糸偏」の字とわかりました。