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宇治・萬福寺  日本三禅宗の一宗「黄檗宗」の大本山

 

宇治・萬福寺は、日本三禅宗の一宗「黄檗宗」の大本山。

総門を入るとすぐに「山門を 出れば日本ぞ 茶摘み唄」の句碑が立っています。

この歌は萬福寺の雰囲気を言い得て、境内はまさに中国そのもの。

伽藍(がらん)もその配置も、中国の明朝時代の様式をそのまま伝える日本でも珍しい中国式の禅宗寺院です。

創建は1661(寛文元)年。

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後水尾天皇や徳川四代将軍家綱の尊崇を得た隠元隆キ(いんげんりゅうき)禅師によって開創され、隠元禅師ゆかりの中国福建省の萬福寺をそのまま模して造営され、僧の間では中国萬福寺を古黄檗と呼んでいます。

隠元以来、代々の住持(じゅうじ)は中国僧が務め、1740(元文5)年に初めて日本人の僧侶、龍統元棟(りゅうとうげんとう)が14世の住持となりました。

現住持は60世です。

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寺の敷地は、後水尾天皇の生母・中和門院の宇治の別邸であった所で、本堂や舎利殿などの諸堂宇は徳川幕府の経済的援助を得て、およそ17年をかけて建立され、寺領400石を拝領。

萬福寺の紋が徳川家からいただいた「裏葵」であるのはそのためです。

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伽藍は、本堂で釈迦如来坐像(しゃかにょらいざぞう)を安置する「大雄寶殿(だいおうほうでん)」を中心に、その前には弥勒菩薩(みろくぼさつ)と呼ばれている布袋や韋駄天(いだてん)、四天王を奉る「天王殿」、その前方左右に達磨(だるま)大師を奉る「祖師堂」と華光菩薩、大黒天、弁財天を安置した「伽藍堂」、そして、僧たちの修行の場である「禅堂」、修行僧の食堂「斎堂」が左右対称に配置されています。

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三門左手の隠元禅師を奉る「開山堂」は、禅師の誕生日や命日に法要を行う場で、伽藍群は左右対称、直線、直角に配置され、すべての堂宇は屋根付きの回廊でつながり、建物と回廊を含めて国の重要文化財です。

屋根には日本の寺院には見られないマカラと呼ばれるガンジス川のワニをかたどった装飾が施されるなど、あたかも中国の紫禁城をほうふつさせる境内です。

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隠元禅師は、禅宗の復興をかけて日本から度重なる招請に応じて1654(承応3)年に来朝。

禅師63歳の時で、弟子や仏師など20人余りを伴い、長崎の興福寺と崇福寺に最初に入りました。

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この時、隠元豆や蓮根、スイカなどの野菜や中国の精進料理「普茶料理」も紹介。

普茶料理はその後、黄檗料理とも呼ばれるようになりました。

隠元は仏像の像造も行いましたが、日本の仏師ではなく、中国の范道生(はんどうせい)という仏師を起用し、すべてを中国様式で進めました。

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都七福神の一つとして有名な布袋(弥勒菩薩)や十八羅漢像など当寺の尊像や仏像がどことなく日本人離れした表情をされているのはそのためで、萬福寺の諸堂に安置された諸像は范道生の作ないし范道生指導の下で像造されたものと伝えられ、他の禅宗の仏像とは趣の異なる黄檗宗独特の異国的な魅力をたたえています。

范道生の残したこれらの尊像は後に「黄檗様式」と呼ばれ、その後の仏像彫刻に大きな影響を及ぼしました。

ちなみに、萬福寺に残る范道生作の尊像は「大雄宝殿」の十八羅漢(らかん)像、「開山堂」の隠元禅師像、「祖師堂」の達磨大師坐像、「斎堂」の緊那羅王菩薩像、「天王殿」の布袋(弥勒菩薩)、韋駄天、「伽藍堂」の華光菩薩、「禅堂」の白衣観音坐像など、27体に上ります。

萬福寺はまた、煎茶(せんちゃ)にゆかりの深い寺。

隠元禅師が中国の煎茶を紹介しただけでなく、宇治の茶所に立つ寺院でもあり、さらに黄檗宗の僧・月海元昭(げっかいげんしょう)が1734(享保19)年に東山に茶亭「通仙亭」を営み、一服一銭で煎茶を売って庶民に煎茶を広めました。

「売茶翁(ばいさおう)」と呼ばれた月海元昭をしのぶ「売茶堂」が境内に立っています。

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高遊外の行為は、中国で流行していた文人趣味の影響を受けて、日本でも中国式の煎茶をたしなむ習慣を根付かせようとしたものですが、一方で、茶の湯に明け暮れた当時の禅寺への批判精神の表れでもあったといわれています。

その後、天保のころに京都の小川可進(かしん)と花月庵鶴翁(かげつあんかくあん)が煎茶の点前を草案し、煎茶道を確立しました。

萬福寺は「全日本煎茶道連盟」の本部でもあり、歴代の住持が会長を務めています。

(文:観光・京都おもしろ宣言:黄檗山萬福寺教学部長 荒木将旭さん:http://www.kyoto-np.co.jp/kp/special/omoshiro/kentei06_01.php