日本の伝統文様8 千鳥

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沢千鳥蒔絵螺鈿小唐櫃

 

私たちの文化はいつの時代も海外からの影響のなかにありました。

いったんはそのまま取り入れながらもさらに独自な手を加え、日本独自の文化として定着させてきました。

文様においても、日本人の感性にあったものだけが残り感性に適合しないものは自然と消滅していきました。

私たちのもっている感性は平安時代に育まれて以来、生活文化の基底をつくりあげた室町時代へ、さらに桃山・江戸時代へと、一貫して日本の意匠のなかに流れている美意識です。

それは日本人のもつ自然に対する独特な感受性と、仏教の無常感からうまれた風土によって培われたものです。

日本の気候風土は余情ゆたかな自然をかもし出し、めぐる季節の美しさに感動を覚えます。

そして自然と一体になろうとするのが日本人の美意識であります。

 

 

今日の文様は「千鳥(ちどり)」

 

私の大好きなとっても可愛い文様。

一件キャラクターかと間違えそうで、ちまたでよく見る和菓子屋の紋でもおなじみですね。

頭、くちばし、背が漆黒で腹が白いのが特徴の鳥です。

群れて飛び、また波上に浮かぶ優雅な姿は川辺の点景として、葦や水流とともに平安の頃から、衣裳、調度、器具などに描かれました。

平安後期の「沢千鳥蒔絵螺鈿小唐櫃(さわちどりらでんまきえこからびつ)」がよく知られています。
(高野山金剛峰寺 平安後期の作品:http://www.reihokan.or.jp/syuzohin/kogei.html

江戸時代の小袖、中形や小紋などの型染、あるいは有松紋や絵絣(えがすり)にも描かれていました。
(有松絞のことは:http://www.shibori-kaikan.com/tiedyeing

水辺にいるため、水の文様や水辺の植物の文様と組み合わせて描かれることがあります。

写実的に描かれることもありますが、多くの場合は可愛らしく意匠化された千鳥が用いられます。

千鳥は、一つで描かれることもありますが、本来は二羽の千鳥が波間の上を飛んでいる姿を「波千鳥」といいます。

「世界の荒波を一緒に乗り越えて行きましょう」ということで、夫婦円満や家内安全を表す縁起のいい文様です。

そして、文様得意の語呂合わせでは「千鳥」を「千取り」に掛け、勝利を願ったり、目標が達成するように願ったりもします。

文様の多くには、人を思いやる意味や願いが込められたものがいっぱいありますね。

 

 

 

 

 

 

 



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