ひらがなでよめば、日本語がわかるんですよ!

 

ひらがなでよめば、日本語がわかるんですよ!

木曜日は私の大好きな、中西進さんのひらがなのお話。
今日のお話は「体のパーツ、なぜこうよぶの?」

 

和の心 金のなる木



このお話、元春日宮司の叔父からもよく聞かされました。
最初に聞いたときは「へー!凄い!」ってうなったおはなしです。

め みみ はな

私たちの、体の部分部分には、どうしてこのような名前がついているのでしょうか。

顔の中には、目があって鼻がありますが、なぜ、目を「め」、鼻を「はな」、耳を「みみ」というのでしょうか。
さらに歯を「は」、頬を「ほほ」、額を「ひたい」とよぶのはどうしてでしょうか。

「め」「はな」「みみ」と、ひらがなでよくよく見てみると、見近にある、何かと似ていることがわかります。
植物ですね。
芽、花、実、すべてがあります。
目は「芽が出る」の芽、鼻は「花が咲く」の花と同じ音。
では耳はどうかというと、「実がなる」の「み」が二つくっついています。
そういえば、耳はふたつありますね。
それから「は(歯)」は「葉」と同じ音でしょう。

つまり、顔の中にはなぜか、植物の成長過程あるいは部分の名前が入っています。
これはおもしろい偶然の一致と思いませんか。
でも、これはどうも偶然ではなく、根拠のあることだとわかってきました。

まず、目はものを認識する器官ですね。
そして耳は情報を受容する器官です。
たとえば、蛇が人間に毒をふっかける時、狙うのは耳ではなくて目です。
目をつぶせば、勝負に勝てるからです。
視覚・聴覚・触覚など、生き物の感覚機能はたくさんありますが、その第一は視覚です。
視覚から得る情報は、感覚器官全体の過半数に達するといいます。
私たちは、まず目で見ることからものを認識します。
つまり、目で見ることは最も基本の動作であり、最後に耳で受容することによって、認識のプロセスが完結するのです。

目が認識の基本であり、耳が認識の完了であることは、賢いという意味の「聡明」ということばがあることからもわかります。
また、「きく」が「聞く」と同時に「利く」であることからも、耳の重要性が知られますね。

腕が「きく」ことと、耳で「きく」こととは、そうして同じような能力を表しています。
それは「お聞きになる」ということばの古語「きこしめす」が、「支配する、受容する」という意味をもっていることから、類堆できます。

このように考えていくと、植物のいちばん最初の成長段階である芽の発音が、目にネーミングされていてもおかしくはないですね。
まず芽(目)があって、花(鼻)が咲く。
そして、末端の「は」、つまり「端(は)」に葉(歯)が出て、成熟した存在である実(耳)で完結するというプロセスを考えると、どうして目を「め」というのか、耳を「みみ」というのかよくわかると思います。

こんなこと考えてもみなかったですよね。
このような「へー!」っていうひらがなのお話がいっぱい。
楽しいですね。
そう、知れば知るほど、古の人の思いが届きます。

写真は今頃から咲き始める「金のなる木」の花(鼻)です。