菊と刀 ルース・ベネディクト(著)

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菊と刀
ルース・ベネディクト

戦後67年たっても
色あせていない日本文化論。

「菊と刀」は、一九四四年六月アメリカ軍のサイパン島上陸当時に、ベネディクトが戦時情報局(のちのCIA)から委嘱されて、対日戦略及び戦後の対日処理案を立てるための研究を元にした著作です。ベネディクトは、日本を訪れたことはなかったのですが、日本に関する文献の熟読と日系移民との交流を通じて、日本文化の解明を試みています。文化人類学者としてまったくフィールドワークなしで、「菊と刀」を上梓したということに驚きます
第一章の冒頭に「日本人はアメリカがこれまでに国をあげて戦った敵の中で、最も気心の知れない敵であった」というセンテンスがあります。ヨーロッパ戦線で戦った同じキリスト教文化を背景とした「気心が知れた」ドイツとは文化や行動基準が全く違う日本。その日本を欧米の基準を軸に考察しては何もわからないというスタンスです。
日本文化、日本人の考え方、行動を読み解くキーワードとして、日本人の伝統的な道徳的観念「恩」「忠」「孝」「義理」などをあげ、それらを軸に歴史的考察も含めて考察しています。
日本人の行動様式なり生活習慣が「日本人固有」のものであること。西欧の物質主義に対する裏返しとしての戦時中の日本人の「精神優位主義」。日本人の組織主義や権威主義、階層主義(年功序列主義)の指摘などなど、今の日本人が読んでも充分に納得のいく考察です。私が特におもしろかったのは、日本、日本人が「応分の場」を求め、わきまえて行動すること、「応分の場」を対外的にも求めること。それと「忠臣蔵」などをテキストに「義理」と「忠」の関係の分析でした。



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