「恐れ入ります」

 

「恐れ入ります」って素敵な言葉ですね。

 

 

 

 

「言葉を交わす」というコミュニケーションの基本には、どんなときも相手への敬意がなくてはならないと思います。

 

「恐れ入ります」という言葉は、日本語独特の表現であり、謙譲とまではいきませんが、相手にきちんと敬意を払いながら感謝の気持ちを伝えます。
さほど大げさすぎず、いちばん無難な言葉ではないでしょうか。

 

「恐れ入ります」という一言には、「ありがとうございます」や「お手数をかけます」など、いくつもの意味が含まれています。
ですから、使いこなすことができれば、これほど便利な言葉はありません。

 

たとえば「きれいですね」と褒められたら、もし英語であればThank Youと返せばすむところですが、日本語で「ありがとう」と受けたのでは何か不遜な印象を与えかねません。
その点「恐れ入ります」なら、感謝の気持ちに謙遜やはにかみ、相手への気遣いなどさまざまな思いが含まれ、とてもこなれた表現だと思います。

 

もっとも若い人だと、もしかしたら急に改まった感じがして使うのが照れくさい、恥ずかしいと、とまどう言葉かもしれません。
でも、「恐れ入ります」も、あるいは「わたくし」も、社会人としてまず覚えておきたい言葉だと思います。
というのも、仕事上の関係には一定の距離も必要ですし、たとえどんなに親しくさせていただいたとしても、「慣れ」がゆきすぎて「なれなれしく」なってはいけないからです。

 

言葉は、日々使わないことには自分のものにはなっていきません。
どんな言葉でもたびたび使っているうちに、自然とくちからでてくるようになるのです。
日本の言葉にも「和の美」がいっぱいつまってますね!

 

(本:日本を知りたい 和の美をめぐる50の言葉)