ひとときの粋にひたる「喜世留」

 

 

落語や浄瑠璃などでも、しばしば登場人物のこころの動きが託されてきた「きせる」
平成の今、たった一人で作り上げる職人さんが京都にいらっしゃいます。

 

「きせるは喜世留なんですよね。」
日本で唯一となったきせる専門店「谷川清次郎商店」9代目の清三さんは、そう語ります。

 

 

 
「喜びを、ひととき、世に留める」という意味で、杉田玄白が残したといわれる当て字なんですが、喜世留は自分好みに誂えた羅宇(らう)の色や文様、手触りを楽しみ、金具部分の美しさを愛でながら、香りを味わい、そのひととき酔う。

 

喜世留は嗜み(たしなみ)の文化なんですね。

 

西洋のパイプと違って、喜世留の火皿は小さく、ここに日本文化が凝縮しているんです。
実は、刻み莨(たばこ)は世界でも例を見ない日本で発展した莨の加工時術。
その細かさは髪の毛ほどのものもあったそうです。


その刻みを可能にしたのが、日本刀を作る高度な鍛冶技術でした。

 

形や素材、細工を愛で、香りと味わい、そして時間まで楽しむ。
なるほど、古の傾き者たちが喜世留を手放さなかったわけですね!

 

石川五右衛門も、今と変わらないお月さんに紫煙を燻らせ、粋な一時にひたっていたのかもしれませんね。

 

あなたも、My喜世留、いかがですか。


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