「紗と絽」

 

 

「紗と絽」

 

日本の二十四節気では「小暑」です。

 

暑さがどんどん強くなっていくという意味があり、この頃から暑さが本格的になってきますが、梅雨の終わる頃でもあります。

 

小暑を迎えると、衣食住のあらゆるものが夏向きのものに変わります。
着物も一重から「夏きもの」へ。
夏きものといえば「紗」と「絽」ですね。

 

 

 

 

でも、「紗」と「絽」ってどう違うのでしょうか?

 

絽は「からみ織」の一種で、奇数の緯糸ごとに経糸をよじって織る組織で、定期的に隙間をあらわしたもの。
紗は「からみ織」「もじり織」の布地で、経糸2本をひと組として緯糸が1本織り込まれるごとによじって隙間をつくるもの。

 

どっちが先に生まれた組織かといえば、「紗」なのだそうです。つまり絽は紗の変形で、江戸時代初期頃からつくられはじめました。
紗は緯糸1本ごとによじって隙間をあらわしますから、隙間が多すぎて、友禅模様などの精緻な柄を美しく染めるのがむずかしかったのです。


そこで、普通の平織の間に隙間を入れた「絽」という組織がつくられるようになりました。

 

ところで皆さん、夏のきものといえば「絽」と「紗」の名を並べて上げるのに、実際は紗より絽のきものを見かけるほうが多いな、って思いませんか?


実際のところ、留袖、訪問着、付下げ、小紋といった柄のあるきものは、ほぼ100パーセント近くが「絽」です。

 

それは、平織組織のある絽のほうが、構造上、絵をつけやすい理由があったのでした。
また部分的に絹の平織を取り込めば、身体に添うタレ感も生まれます。
しかし反面、平織は風を通しませんから、紗にくらべたら暑いという面もあります。

 

実際、この時期に着物を着るのは、暑くて暑くて!!
でも、ちょっとかっこつけて、伊達に着流してみたいものです。