日本の夏の工夫「付かず離れず」

 

 

日本の夏の工夫「付かず離れず」



夏の過ごし方の工夫は限りなくありますね。
一つにつきつめていうと「付かず離れず」ということではないでしょうか。


ベタベタするのは暑苦しい。
でも、花ばかり見せるのではなく、花を挿した花器の水際を少し見せたい。
あるいは同じ花器でも下にベタッと置くのではなく、鴨居から釣る、いわゆる釣り花入れにしてはいかがでしょうか。






 

「釣る」という趣向が夏にふさわしいのは、付かず離れずのさわやかさが演出できるからでしょうね。

すだれを釣る、風鈴を釣る、なかでも私の好きなのは釣りしのぶ。
西洋風の観葉植物では騒がしい。
たよりないしのぶ草だからいいのでしょうね。

根をたっぷりと水を含んだ苔で包んで軒端に釣るす。
これに風鈴を付けてもよし、付けづともよし。

しのぶの葉がわずかに風にゆれるのを見ると、日本人の夏の心の集約点がここにあるように思えます。
(文:熊倉功夫)


なんて素敵な夏でしょうか。
物だけでなく、時も風もすべてのものを魅せてしまう先人たちの知恵、本当に素晴らしいですね。