「秋の夜中に」

 

 

「秋の夜中に」
 

「ミーンミーン」
「ジージー」
「ツクツクボウシ ツクツクボウシ」
夏の大合唱が聞こえなくなると、秋の声が聞こえてきましたね。


秋の虫たちのうたごえは、恋人をよぶ求愛のうた。

 

 

 



むかし、平安時代の貴族たちは、野山から捕ってきた虫を庭に放って、虫の音を楽しんだとか。
源氏物語の中にも「光源氏が、虫の声で女三宮をなぐさめたー」というお話。

江戸時代には「虫屋」という虫を売るものがあらわれて、虫をかうことが流行したそうです。
きれいなかごに虫をいれて、その歌声を聞きながら、秋の月をながめてお酒をくみかわす、すずしげな夕暮れ。

まるで、虫のオルゴールですね。

うちの庭からも、夕方、窓をあけて耳をすますと、聞こえてきます。
夜露のおりた、しめった草のあいだから、やさしい恋のうた。
テレビ消して、音楽消してーーーほら。
(文:ひらがな暦 おーなり由子)


秋の虫のこえ、聞こえてきますか?
すべての音を消して。
お月さまをながめながら。
そんな、ゆっくりした時間がなくなりましたね。
今宵は三日月をながめながら、ゆっくり虫のこえに耳をかたむけてください。
至福の時ですよ。