「肌ざわり」へのこだわり

 

 

 

「肌ざわり」へのこだわり

 

和の心 20140315

 

 


和のこころを特徴づけているものに「肌ざわり」があると思いませんか。

日本人の「肌ざわり」とか「肌合い」というものへの異様なまでのこだわりに驚きます。
私たちは、あらゆるものに「肌ざわり」や「肌合い」を求める傾向にあります。
「・・・さわり」「・・・ざわり」という表現がよく使われることからおわかりいただけるでしょう。

実際、木材ひとつ取り上げても、私たちは「木肌」にとてもこだわります。
木材にカンナをかけた上の木肌の状態を非常に気にするのは、日本人です。
これは中国人にも、ヨーロッパ人にもない美的感覚です。

もちろん布をあつかう際にも、「布ざわり」と言って、手でさわったときの感触をとても大切にします。
着物好きの女性は、呉服屋さんに入ってお目当ての反物をみつけると、とにかく反物にさわります。
「これはなかなか良いわね」とか「なるほどこれは」とか言いながら、着物でも帯でも、とにかくさわります。
色や柄といった条件よりも、とにかく肌ざわりを気にして、あれこれと反物選びをするのです。

そういう肌ざわり、肌にふれたときの感触ということが、日本人にとって非常に重要なキーワードなのです。

食べ物に関しても、同じです。
「舌ざわり」と言って、食べ物の食感を大事にします。

人間関係についても、やはり肌ざわりなんです。
「人あたり」が良いとか悪いとか言いますね。
また、不愉快な話題や下品な言葉づかいに関しても「耳ざわり」な発言などと言って、やんわりと批判します。

人間関係や状況まで、肌ざわりで表現する。
こうした、やわらかで繊細な感覚は日本人独特のものであることは、間違いありません。

(参考:禅のこころ 和のこころ・篠田暢之)

繊細な感覚の持ち主、日本人。
それが、どこへいってしまったのだろうか。