うるしを採る方法 うるし5

 

 

うるしを採る方法 うるし5

 

 

和の心 20140529 うるしの木

 

 


うるしの樹液を採る「うるしがき」には、伝統的な採取方法が二つあります。

 

一つは、「ころしがき」。

ちょっとドッキリするような名称です。
つまり、一年で、うるしの木全体の樹液を、すべて採ってしまって、もう根元から切ってしまう。
うるしの液を採れるだけ採ってしまってから、一気にうるしの木をころしてしまう。
そういうやり方です。

 

二つ目が、「ようじょうがき」。
養生、という言葉からわかるように、大事に大事にしながらうるしの液を採る方法です。
毎年毎年、うるしの液を少しずつ採っていく。
骨までしゃぶらないやり方です。

 

なぜ、今、日本にうるしの木が少ないのかというと、ころしがきという方法でうるしの液を採ると、最高品質のうるし液が採れる、ということがわかったからなんです。

 

よく漁師さんが、鯛などの魚を一本釣りで釣ると、釣り上げて早々にその鯛を一気にしめ殺します。
そのほうが、魚の活きのよさを保てるからです。
それと同じで、うるしの木も、一気呵成にやってしまったほうが、よいうるしが採れるというわけです。

 

この方法が主流になったために、うるしの木がみるみるうちに減ってしまいました。
昔は、日本全国にたくさんのうるしの木があったはずなのですが。

 

昔のうるし採取は、ようじょうがきが中心でした。
ところが、産業奨励政策のもと、うるしのツヤや透明度や光沢に細心の注意が払われるようになります。
そして、うるしの職人さんも一生懸命になって創意工夫しているうちに、良いうるし液を採るには、ころしがきという方法で採るのが一番だ、ということになってしまったわけです。

 

このようなわけで、今では、天然のうるしの木をみることはすっかり少なくなってしまいました。
最近では、うるしの木をあらたに植えて、ころしがきで切ってしまい、またあらたに植え直す、というようなやりかたになっているようです。