うるしの器を使われてますか?

 

 

うるしの器を使われてますか?


うるしの良さは、使ってみないと十分にはわかりません。
本格的につくられたうるしの器は、感動的です。

 

 

和の心 20140628 漆器

 

 

素材がいい、形がいい、バランスがいい。

工芸的な贅沢をしたものでなくても、本気でつくられたものには深い味わいがあります。

漆器には、木を大切にする日本人の考えがよく表れていると思います。
ろくろ形成で木を回転させ、木を必要なかたちに彫っていく。
そして、木をある一つの形にしたものに、うるしを何度も塗る。
傷がついたらまたうるしを塗って、くり返しくり返し使う。

自然や物を大切にする考え方です。
このような意味でも、漆器は、大量生産して大量消費するようなものではありません。
傷がついても、何度もうるしを塗って、修理して使う。
これは現代の環境保護やリサイクルの考え方も合致しています。

自然や物を大切にするという考え方は、日本では何も最近はじまったもので半句、古来からあった、国民的な伝統といえる考え方なのです。
あらゆる資源を大切に扱い、くり返し使うという考え方は、日本文化の根底にある立派な思想です。

だからこそ、漆器ほど良いものを使ったほうがいいのです。
何度も修理して使える強みがあります。
ちなみに、ここで良いものというのは、必ずしも金蒔絵をほどこした豪華なもの、という意味では決してありません。
素朴であっても、基本に忠実につくられたうるしの器ならば、それだけで充分だと申し上げたいのです。

陶器というのは、手からすべって落ちると、たいてい割れてしまいます。
しかし、うるしの器は、落としても割れません。
割れない、壊れない、という安心感があります。
こういう漆器からは、怪談「番町皿屋敷」などという怖いお話も生まれません。

安心して、使うことができる、こころ安らかになれるおだやかな器なのです。