麻の刈り取りの時期です。

 

 

春に種を蒔いた麻は、晩夏になると数メートルの高さに成長します。

その強い生命力にあやかって、麻の葉文様は産着や子供の着物、女性の襦袢によく用いられてきました。

 

和の心 20140824 八百屋お七

 

半四郎鹿子(はんしろうかのこ)は、歌舞伎役者五代目、岩井半四郎が八百屋お七を演じたときに着た、斬新な浅黄色の鹿の子絞りの麻の葉文様で、庶民の間で大流行したそうです。

茎からとる麻の繊維は、不思議な金色の輝きを放ちます。

麻は絶縁性が高く、昔は雷が鳴ったら蚊帳(かや)に入って身を守ったそうです。

現在は紙で作られることが多くなりましたが、神事に使われる幣(ぬさ)も本来は麻の繊維で、結界を作り、場を清めるときに欠かせないものです。

万葉集には麻を詠んだ歌が二十八首もあります。
麻衣着ればなつかし紀の國の 妹背の山に麻蒔く吾妹 万葉集

江戸中期に、丈夫で保温性にすぐれた木綿が普及するまで、人々の衣服の中心は麻でした。

麻は紅花、藍とともに三草と呼ばれ、かつては全国で栽培されていました。

上布(じょうふ)といえば、極細の糸で織られた麻の織物で、幕府に献上される布をでした。

越後上布、能登上布、近江上布、宮古上布などがあります。

帷子(かたびら)は麻の単衣のことで、ゆかたの語源は、湯上がりに着る湯帷子です。
帷子を真四角にぞきたりけり 小林一茶

 

和の心 20140824 宮古上布

 

日本の麻は大麻と苧麻(ちょま)の2種類があり、苧麻は洗ってもパリッとした張りを保つ布です。

大麻布は使いこむと次第に木綿のようにやわらかくなりますが、天然繊維の中でもっとも耐久性があり、ナイロンが登場するまで魚網、釣り糸、凧糸、荷物紐などに使われていたようです。

お盆に炊く迎え火に使われているのは苧殻(おがら)。

苧麻から繊維をとった後の茎です。

かつては布団にしたり、壁材、箪笥の下に敷いて湿気取りなどに利用されていました。

麻の実は、絞って油にする他、江戸時代、蕎麦の薬味として広まった七味唐辛子の原料になりました。

七味唐辛子は、両国橋にあった薬問屋が風邪に効く漢方薬を日常食にできないかと考えて編み出したオリジナルブレンドで、現在もなお人気のある大ベストセラーです。

麻の実から採れる油は、αリノレン酸が豊富で、青魚と同様にDHA、EPAがとれる貴重な油として注目されています。

肌が乾燥しやすく、喉を傷めやすい秋は、良質の油を摂るのがよいそうです。

麻の実がとれて、秋刀魚が出回る初秋。

猛暑が始まる頃に夏バテに効く梅干しが完成するように、自然界のめぐりは見事に、その季節に必要なものを与えてくれています。

(文:和暦コラム・高月美樹:http://www.543life.com/column08.html)

 

和の心 20140824 麻刈とり

(写真は大森さんとは関係ありません)

 

大森さんの麻畑も(栃木県鹿沼市)刈りとりの時期を迎えていることでしょうね。

すくすくと育った麻。

素晴らしい力を持った麻。

もっともっと多くの人に、その素晴らしさをしってもらい広がりますように!