伝統  それは続けていくこと

 

 

伝統、それは続いてきていること。
続ける、それは一番難しいかもしれませんね。
そこには、さまざまな歴史があり、それを知った上で伝統を継承していくのでしょうね。

 

和の心 20141113 伊勢崎淳

 

 

第61回日本伝統工芸展岡山展(県立美術館、朝日新聞社、日本工芸会など主催)が13日、岡山市北区の県立美術館で始まる。

開幕を前に、備前焼の重要無形文化財保持者(人間国保)、伊勢﨑淳さん(78)に伝統や工芸について聞いた。

 ――伝統とは

 伝統という言葉は何か古くさいイメージがあるが、本当の意味の伝統は、時代の感性とか、生活、環境などいろんなものの影響を受け、常に革新を重ねて生まれていく。その積み重ね、連鎖だ。昔のそのままを引き継ぐことではない。

 本質は常に変わらない。自然の素材を使い、それを人の手で美しい物にすること。技術を磨き、美しい物を生み出していく。そして時代に合わせ、新しい創造が加わって初めて伝統としてつながっていく。

 外国のクラフトには使うという意味が強いが、工芸にはアートとしての側面が強く残っている。素材と技術に根ざして、新しい物を生み出していこうという姿勢が大事だ。日本独自の考え方で、そこをうまく生かして発展させていけば良いと思う。

 

和の心 20141113 伊勢崎淳2

 

 ――使う物とアート。そのバランスは

 僕も最初は、使える物を作ってきたが、ここ10年くらいは、どんどん変わってきて、オブジェが中心になってきた。備前の土の持つ可能性に挑戦したいというのが、今の一番の気持ち。年齢的に後がないから、やりたいことをやろうと思っている。

 ――伊勢﨑さん自身が大事にしていることは

 自然の素材、それをうまく生かすことが、一番。先人が積み重ねてきた物を大切にして、より効果的に生かせるように、また、新しい技術を生み出すように、そういうことを常に考えている。

 ――若い作家たちに伝えたいことは

 歴史から勉強することが大事。先人が積み重ねて新しい物や技術を生み出しているわけだから、しっかり勉強し、創造性をもって、挑戦してほしい。それを縦軸とするなら、現代の感性、生活、そういう横軸と、両方で物を作っていかないといけない。

 工芸の世界だけをじっと見ているだけでは、どうしても視野が狭くなる。建築、絵などいろんなことを勉強し、やっていかないといけない。広い目で見た方が良い。(聞き手・西江拓矢)

(文:朝日新聞)

 

和の心 20141113 伊勢崎淳3