「月の裏側」 日本文化の素晴らしさの再確認

月の裏側

正直、内容よりもビックリしたのが、あのレヴィ=ストロースがこんなにも日本好き、日本びいきだったということでした。

序文に「日本文明ほど、私の知的、精神的形成にとって、早くから影響を与えたものはありません」という記述があり、その後、画家であった彼の父から5、6才の頃に一枚の広重をもらい、その美的感動にすっかり心を奪われベッドの上に架けていたようです。それから学校で良い成績を取るたびに浮世絵をもらっていたと書かれています。

 

内容はもちろんとても良かったです。随所に、これぞ構造主義といった流石の分析があって、でもそれはとてもわかりやすい文章で展開されているので、浅学な私でも楽しめました。

外国の方が日本、日本人、日本文化を褒めている江戸末期からあまたあります。

和の素敵でも2冊紹介していますが、これも流石というか、表層を見ないでその奥の構造を見ているところが素敵です。

 

本屋さんで最初の一節「世界における日本文化の位置」を読んでください。

私が特に感心したのは、邦楽の音階、和音について書いているところでした。

これ、日本人でもなかなか気づかない視点です。

 

日本、日本文化を語るにおいて、自分は日本人である(日本人の定義も定かではないですが)というある種の特権的な場所から語るのではなく、世界視線で日本文化の素晴らしいところを語ることの大切さと難しさを再確認しました。

 

もしかしたら、あのレヴィ=ストロースの業績に影響を与えたかもしれない日本文化は、西洋文化と比較してもかなり独自のものであり、素晴らしいのだなぁと思える一冊です。