和の心 20150208 吉岡幸雄さん1

染織史家  吉岡幸雄さん

 

 

「人間は地球の一員である、ありがたく暮らさなければならない」

 

先日、国際教養振興協会(代表:東條英利さん)のセミナーに参加しました。

お話は、染織史家・吉岡幸雄さん。

セミナーに参加してよかった。

今を生きていく人間として、とっても大切なことを沢山教わりました。

本当にありがとうございました。

 

和の心 20150208 吉岡幸雄さん2

 

 

吉岡幸雄は、京都に江戸時代から続く染色家「染司よしおか」の当主である。

染司を受け継いだ時、古代の手法のままの天然染料のみを使用すると決めた。

染職人、福田と共に始めた工房は、アジアでももう稀な難しい歴史的手法を伝承する植物染めだけを行う。

両手の中のベニバナのふくらみ、絞られる植物の隠しがたい香り、それが眼にしか触れることのない“色”に生まれ変わる不思議。

カメラは、職人の日常環境に入りこみ、天然染料のみで美しい色が染めあげられていく様を伝える。

しかし、染料の素材を育てる植物農家にとって、地球の気候変化は作物栽培にひびく。

200年前とは明らかに地球が違う。

染料の植物が育たなくなりつつある現状。

21世紀に“植物だけの染め”は、もう無理なのでは、というところにまで来ている。

東大寺二月堂に1260年続く行事「お水取り」。

五穀豊穣を祈るこの儀式の仏前を飾る椿の造花は、吉岡が紅花のみで抽出し何度も重ねて染め上げることで深みを持った紅色の和紙で作られる。

吉岡の仕事のひとつに古来の美術装飾品の復元がある。

日本の正倉院に保管されている歴史的な宝物や伎楽の衣装の制作手法を探究し復元をする仕事である。

三蔵法師・玄奘三蔵ゆかりの薬師寺は、玄奘の求法の旅を「伎楽」として奈良時代と同じ伝統的染織による装束で復元した。

「科学が発達した現代よりも、昔の人の方がものを作る技術の高さがある」と吉岡は言う。

福田は、工房で何食わぬ顔でいつもどおりに「印度更紗」や「きょうけち」という高度な技術を再現してみせる。

しかし、まだ再現できない古代技術があるという。

監督はArt -True Filmの川瀬美香。

上映初日は、監督と6代目吉岡更紗の登壇が予定されている。

「紫」(2011)オフィシャルサイト

(文・写真:遊芸人野放途:)