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「紺地金泥」ご本尊の中から巻物  最近一番びっくりしたこと ②

 

なんと!ご本尊の中から出てきた巻物に・・・

こんにちは。

浄住寺のご本尊の胎内から巻物が・・・。

巻物に何が書かれているのでしょうね。

巻物を取り出してから三日後、関係者が集り、ご開帳。

さて、何が書かれているのでしょうね?

今日も、松久宗淋佛所松久佳遊さんのブログより。

 

 

何が出てきたか?

つづきです。(前回はこちら

で、何が出てきたか。

巻物が4点と、何やら包みがひとつ入ってました。

外側を裂地で仕立てた巻物は軸先が水晶で作られてるこったもの。

ボリュームのある巻物も軸先が水晶です。

小ぶりの巻物。

墨書が見える巻紙。

そして包み。

この中に何が書かれているんだろう。

内容によっては、仏さまの来歴などわかる事があるかもしれません。

 

紺紙の上に金泥のお写経

ご住職によってそろそろと巻物のひもを解き中を確認していきます。

みんな息を呑むようにして見守るなか

するすると丁寧に広げていきます。

なんと!

まばゆい金も鮮やかに紺紙の上をお写経の文字が光ります。

 

300年以上も前に書かれたとは思えぬほど、金泥の輝きは美しく書きたてのようです。

丁寧に観音経が書かれていてます。

ご住職は黄檗宗で観音経をあまり読むことが無いのになぁ、と言われて一同首をかしげます。

御本尊は釈迦牟尼として祀られているわりには、南無阿弥陀と書いた紙で守られているのも不思議です。

うーん。

 

雲母引紙(きららびきかみ)に、金泥のお写経

では、次いきます。

ボリュームのある巻物を開けていきます。

今度のもお写経です。

雲母引紙(きららびきかみ)に、金泥で書いてあります。

なんとも上品に長々と書かれているけど、なんのお経かわかりません。

そして、小ぶりの巻物は仮名文字でたくさんなにやらしたためられています。

読めなーい。

あと般若心経と、南無阿弥陀の墨蹟でしょうか。

南無阿弥陀?

お釈迦さまでなく、阿弥陀さま?

 

名前や落款は?

これにはお名前や落款があるのでどなたのものかわかるかも。

お写経には名前が書かれて無いのが残念ですが、紺紙に金泥などはそれなりの身分の方のものと思われますよね。

いずれにしても紙をつなぐ、ノリも劣化してはずれていたり、多少の虫食いもあるので

ご紹介頂いた宇佐美修徳堂の宇佐美さんに、持ち帰って調査をお願いすることになりました。

あ、そうそう。

包みがありました。

中は炭化したもののようです。ぽろぽろとした黒いかたまりが入っていました。

なんなんでしょうね?

まだまだ続きます。

 

南無阿弥陀仏とは

巨万の富を持つ身になっても、幸福感は得られないと言っています。

この真実を2600年前にお釈迦さまは、こう喝破されています。

「有無同然」(有無、同じく然り)

という言葉です。

有っても苦、無くても苦、苦しんでいることは同じということです。

「有無、同じく然り」とは、持つ者も、持たざる者も、みな思い通りにならないと苦しんでいる。

それは、持つ者は金の鎖、持たざる者は鉄の鎖に繋がれているようなもの。

鎖の材質は違っても、繋がれて苦しんでいることに変わらないのです。

では、なぜ、私たちは苦しんでいるのでしょうか。

それは「物」の有無ではなく「心」の問題だよとお釈迦さまは教えておられます。

「何をどれだけ手に入れても満たされないのは、心に闇を抱えているから」とおっしゃるのです。

心の暗い人は、どんな幸福も味わえないのです。

この心の暗闇を治す薬が南無阿弥陀仏です。

心の闇が破れると絶対の幸福になれますので、南無阿弥陀仏は本当の幸せになれる特効薬といえます。

 

ありがとうございます。

名前や落款がないのがとっても残念。

みなさん落胆されてました。

でも、私は、「もしかして!」

 

いつの時代も、巻物や軸にわざと名前がないのはただ一人。

そう、天皇ただ一人。

何代の天皇かわかりませんが、(私は勝手に御水尾天皇と思ってますが)にっこり。

 

浄住寺が黄檗宗として再建されたのが1687年。

その時にご本像も作られたとしたら。

その頃の天皇は御水尾天皇。

天下泰平を祈願され書かれたのでは・・・。

 

古き時を勝手に想像する、なんとロマンがあって楽しいことではないですか。

今日も最後までお読みいただきました、本当にありがとうございました。

 

松久宗琳佛所 松久佳遊さんのブログより

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