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「持戒」とは、おこないを振り返り、規律正しくすること

 

気持ちのいい「東風(こち)」

 

こんにちは。

とっても暖かい、のどかな日。

すーっと東風(こち)が吹き抜けていきました。

この風が吹くと寒気がゆるみ、春の訪れが感じられますね。

菅原道真の「東風吹かば にほひおこせよ 梅の花 あるじなしとて 春は忘れそ」。

およそ千年前の平安時代から、この風が春を運んでくることを人々は知っていたようです。

ひばりがさえずる頃に吹く「雲雀東風」など地方によって異名がありますが、広く親しまれていた春風です。

さて、今日も薬師寺管主、村上太胤猊下のご本「仏法の種まき」から六波羅蜜の「持戒」のお話し。

 

「持戒(じかい)」は「戒(いましめ)を守ること」

 

六波羅蜜時の二つ目の「持戒(じかい)」は「戒(いましめ)を守ること」です。

大智度論(だいちどろん)」には「持戒を守る人はこの世の安楽を得る」と説かれています。

「戒名」と聞けば、亡くなったあとに僧侶につけてもらう名前のことを思い浮かべるかもしれませんが、実はこれは五戒をしっかりと守った人に与えられるものなのです。

五戒とは「不殺生(ふせっしょう)・不偸盗(ふちゅうとう)・不邪淫(ふじゃいん)・不妄語(ふもうご)・不飲酒(ふおんじゅ)」の五つです。

 

不殺生  命あるものを殺さない
不偸盗  人の物を盗まない
不邪淫  不倫をしない
不妄語  うそや偽りをいわない
不飲酒  酒を飲まない

 

 

本当は「食べ物」ではなく「生き物」なのです

 

厳密にいうと、この中で一つだけ私たちが守りきれない戒があります。

それは不殺生です。

私たちが生きていくうえでは、何かを食べなければなりません。

牛や豚の動物や魚を食べつということは、その命を奪っていることになります。

「私はベジタリアンだから、牛肉や豚肉は食べません」とおっしゃる方もいるでしょうが、植物だって生きているのですから、命があります。

スーパーの食品売り場で売っている肉や魚や野菜も含めてみんな生き物ですから、本当は「食べ物」ではなく「生き物」なのです。

それを人間が勝手に「これはおいしい」とか「まずい」とかいっているだけではないでしょうか。

みんな一生懸命生きている生き物だと考えて、「その命をいただきます」と謙虚な気持ちにならなくてはいけません。

食事の前に手を合わせ「いただきます」ということが尊い命をいただいて生きる私たちの戒めです。

 

「いただきます」は家族円満

 

近ごろは手を合わせて「いただきます」をいわない家庭も増えてきたそうです。

「食事」の「食」という漢字は「ひとがしら」と「良」から成り立っています。

つまり、「人を良くする」ことが食事です。

家族が一緒に食事をすることが家庭円満の基本だと思います。

しかし、朝食を食べない子どもがいたり、塾や習い事があって個別に食事をすることが多くなったりして、家族が揃って食事をしない家庭も増えてきているようです。

 

 

「おにぎり」は人を結びから「おむすび」

 

「おにぎり」は「おむすび」ともいいますが、家族の心を結ぶ大事な食べ物だと思います。

昔から、お母さんやおばあちゃんは遠足に出かける子や孫のために「たくさん楽しんでおいで」とか「けがをしないで帰っておいで」といった優しい気持ちを込めておむすびを握ってきたのではないでしょうか。

また、残さず食べることを教えることは、物を粗末にしてはいけないと教えることに通じます。

子どもにとっては、家族が一緒に食事をすることが大切な学びの場になると思います。

 

言葉には気をつけなさい

 

仏教では「身口意(しんくい)の三業(さんごう)」といって、人間の行為を体と口と心の三種にわけて考えます。

身体の中でも特に口を取り上げているのは、「口から発する言葉には気をつけなさい」という教です。

何気ない一言が相手を深く傷つけたり、自分にはそんなつもりはなくても不用意な言葉を発ししたために誤解が生じたりすることもあります。

私たちは、言葉で罪をつくっていることが多いのではないでしょうか。

 

戒と律は違います

 

戒が含まれる熟語に「戒律」がありますが、戒と律は違います。

戒とは心で受け止めていく戒めであり、律は一つ一つの掟のことです。

心に戒めを忘れず、日常生活を慎み深く生きていくことが持戒の精神です。

 

 

あるべき姿を大切にしたいものです

 

持戒第一と言われた栂尾(とがのお)の明恵上人(みょうえじょうにん)は、人の道を「あるべきようは」説いておられます。

これは「人それぞれの境遇や能力に応じて、今おこなうべきことをしっかいりとおこないなさい」という教です。

私たち宗教者はもとより、政治家や経済人にも、また、夫として妻として、親として子としても、それぞれに守るべき戒めがあります。

それを忘れずにあるべき姿を大切にしたいものです。

 

ありがとうございます。

 

「五戒」、守れないことが多いです。

お釈迦さまは守ってたのかな・・・なんて思うことじたいおかしいのでしょうね。

できないのが世の常だから、できるように生きていきませんかと教えているのです。

戒名が欲しいから五戒を守るのではなく、持戒を行うことによって素敵な世になるため。

 

あるべき姿を大切にした毎日をお過ごしください。

 

今日の最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

 

参考:「布施」とは、自分のためではなく、相手のために尽くすこと
   やせ我慢のすすめ
   これからは心の時代

 

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