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神道の原理は「シンプル・イズ・ベスト」

今日は有明月、暁月(きょうげつ)とも言いますね

 

こんにちは。

今日は旧暦の1月28日、仏滅(ひのえうま)

月齢は26.2、有明月(ありあけづき)夜明けの空(有明の空)に昇る月です。

本来は十六夜以降の月の総称ですが、この時期に限定すれば「暁月」の方が正確かもしれませんね。

古くは二十六夜講などの風習がありました。

 

神道は、「シンプル・イズ・ベスト」

 

神道では、簡略につぐ簡略、また省略につぐ省略を重ねて、物事を常に単純化させていくという思想があります。

つまり、「シンプル・イズ・ベスト」です。

多くの仏教やキリスト教などでは、物事の成り立ちを精繖に理論化し、細かく複雑化させることで、人々の関心を引くところがありますが、神道は極めてシンプルに考えます。

例えば、知識や経験があるかどうかよりも、「美しい」かどうか。

または、「明るい」かどうか。

物事の成り立ちを単純化させ、その形そのものを見て、「美しい」といえるようになるとうような「感性」です。

 

 

神祭のときの忌火(いみび)を見て、美しいと感じられるかどうか。

豪華な装飾で飾られない、単純素朴なものほど、物事の真理があるのではないかと本当に感じられるか否か、という点が日本の伝統文化がわかるかどうかの分岐点になると思います。

たとえていえば、日常のなかで、月が神々しく輝いているときのような「単純美」を見つめていると、いつしか日本人の感性が研ぎ澄まされてきて、本当に神々を感じ取れるようになる、あの感覚です。

 

能は極めて「神道的」な芝居なのです

 

能は、そのような「単純性」において、極めて「神道的」な芝居なのです。

実際に能には、西洋的な「演出」がありません。

能には世阿弥が完成した「無幻能」と「現代能」があるとされ、さらに能に詳しかった故・白洲正子さんによれば、現代能の曲目(演目)は、構成上、わずか5種類に分けられ、それは①神、②修羅(武将)、③女、④物狂い、⑤鬼の5つであるといいます。

能には、最初に「神」があるのです。

物語の真の主役(シテ)である「神」から入り、幽玄な舞台装置の上で、仮の主役(シテ)と脇役(わき)が演じ切る。

その上層構造には、「神」があるということをどこか意識しなければ、能の良さは感じられません。

 

 

「翁」は能にして能にあらず

 

さらに、「狂言の家に生まれた能役者」を書いた能役者の決済氏は、五番立ての重要な「翁」についてこう語っています。

「五番立てという番組の組み立ては「翁」から始まります。「翁」というのは天下泰平、国土安全と五穀豊穣を祈願する神事です。「翁」は能にして能にあらず、といわれ、能が完成される以前の古形を残している祝言の舞であり、能・狂言の根本芸だといわれます。「翁」は、精進潔斎をして舞台に臨みます。(中略)神聖な翁の役を務めるために、一定期間物忌みをして、精進潔斎をすることで、日常の火を使わず神聖な別の火で調理するという習わしです。」

これは神社の神職が重要な神祭の前に執り行っている「物忌み」とほぼ同じです。

つまり、能役者たちは、極めて「神道的」なのです。

もちろん、日本の伝統文化というもののなかには、仏(仏教)の考え方を取り入れたものも少なくありません。

しかし、時空間を超越し、上から見守っている存在の神(神道)を感じ取れる感性がないと、なかなか日本の能は、深い理解に行き着かないでしょう。

 

能が「実(じつ)」を大切にするのに対して、狂言は「虚(きょ)」

 

ちなみに、能と狂言の違いは、野村四郎氏によれば、発声の仕方や会話の掛け合いもあるが、何より能が「実(じつ)」を大切にするのに対して、狂言は「虚(きょ)」を大切にするということだ、といいます。

ちなみに日本の伝統文化には「虚実無い混ぜ」の世界がありますが、それは日本人自身が伝統文化のなかに「虚」と「実」のどちらをより生かして来たかの違いかもしれません。

神道は歴史と伝統を経たうえでシンプルさによって、物事をわかりやすく感性に訴えて話をすることができます。

それが、神道がアニメや漫画、そして小説などによって若い人に受けている理由だと私は思います。

 

 

ありがとうございます。

 

「シンプル・イズ・ベスト」、そうなんです、いつも難しく考えずに簡単に。

でも、なかなか難しいですよね。

神さまは私に何をおっしゃってるのか、どうしろといわれているのか、なんて考えることないですか。

考えても仕方がないのに、私はよく考えてしまいます。

でも、結局は神の御心のままに、お釈迦さまの手のひらの中で生かされている。

自分の思いを信じて、あるがままに、頑張っても頑張らなくても、大丈夫。

思うように生きなさいって。

あたたかく見守ってくれているから。

 

この世の中が、いつも笑顔あふれますように。

「ありがとうございます」って、いっぱいいっぱい感謝のこころがあふれますように。

今日も最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

 

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