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雪輪に橘(ゆきわにたちばな)家紋研究家 森本勇矢さん

雪輪に橘(ゆきわにたちばな)

橘はミカン科の常緑小高木で日本固有の柑橘類。最古の菓子(唐果物)としても知られる。
神話に登場する、非時香菓(トキジクノカグノコノミ:不老不死の霊薬)を由来とし、京都御所の紫宸殿に「右近の橘、左近の桜」として橘が植えられた。
尚、左近の桜は元々は梅である。
この「右近の橘」を寵愛した元明天皇が葛城王に橘姓を下賜し橘氏が誕生。

 

 

橘氏の起源は、708年「県犬養宿禰三千代(あがたのいぬかいすくねみちよ)」が43元明天皇から橘宿禰姓を賜ったことに始まる。
県犬養三千代は命婦(五位以上に叙せられた女官)として40天武天皇時代(41持統朝からだとする説もある)から宮中に仕え、42文武天皇の乳母としても活躍し、それらの功により、女性では珍しく、杯に浮かぶ橘とともに橘宿禰姓を賜ったとされる。
彼女は30敏達天皇の曾孫である「美努王」と結婚して「葛城王」「佐為王」「牟漏女王」を産んでいた。
763年、葛城王と佐為王は聖武天皇に臣籍降下を申し出で、母の姓である橘宿禰姓を賜った。これが橘氏の始まりである。勿論「皇別氏族」である。
(一部、京都家紋研究会副会長香川氏の文章を引用)

近年、奈良では「なら橘プロジェクト」が盛り上がっており、タチバナに対する注目は今後も高まっていくことだろう。
家紋では主に実と葉を象った非常に可愛らしい意匠となっている。
因みに実の部分に付属する三枚の葉を取ってバランスを少し調整すると「茶の実(ちゃのみ)」紋になる。
雪輪を今回は付加させた。先日の雪を表現したみた。
また、雪輪は関西を中心とした西日本に根付く習慣である「女紋」でもよく使われる。

今回の配色はなるべく橘そのものの印象を変えることなく、彩ってみた。
地色は橘紋を活かすために柔らかく。そして外枠の色は私の好きな臙脂(えんじ)色で力強く表現。
(2017年1月17日  Instagram投稿)

著書:日本家紋大辞典

 

 

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