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和の素敵は人たち ヘンリー・S・ストークスさん

 

ヘンリー・S・ストークスさん

こんにちは。

いま、古からの素晴らし日本の文化を日本人以上に素晴らしいと思ってくださる外国人がたくさんいます。

ヘンリー・S・ストークスさんもその一人です。

ヘンリーさんは、ニューヨーク・タイムズ東京支部長を歴任され、三島由紀夫と最も親しかった外国人です。

彼の書かれた本はたくさんあります、そのほとんどが日本人に読んでもらいたい素晴らしい日本のことが書かれています。

「英国人ジャーナリストが見た現代日本史の真実〜日本は世界の宝である」
「日本が果たした人類史に輝く大革命ー「白人の惑星」から「人種平等の惑星」へ」
目覚めよ! 日本」 などなどあります。

その中で、「英国人記者が見た 世界に比類なき日本文化」という著書の中から「日本では、神々も話し合いで物事を決める」というお話をどうぞ。

 

神々も話し合いで物事を決める

日本では今日まで、自然崇拝(アニミズム)が続いている。
神道は、自然を拝む多神教だ。
西洋の宗教学では自然崇拝は原始宗教と呼ばれて下位に見られ、一神教のユダヤ・キリスト・イスラム教を「高等宗教」としている。

人格神を戴(いただ)く一神教が、世界に間断のない戦争や殺戮を繰り広げて、血みどろの世界史をもたらしてきました。

ユダヤ・キリスト・イスラム教の一神教では、神が人間を自然の支配者として、創造された。
人間は自然の所有者であって、自分たちのために自然を恣(ほしいまま)に使用する権利を与えられてきた。

ところが、日本では万物が対等なのだ。
「お猫さん」「お犬様」「お猿さん」「ママ!トンボさんをつかまえたよ!」と言うように、動物や昆虫にも、人と同じように「さん」や「様」をつけて呼ぶ。
世界のなかで、日本一国だけに見られることだ。

針やミシンも、まるで人と同じように扱われて、神官や仏僧によって供養が行われる。
ありとあらゆるものに、神が宿っているのだ。

神道では森羅万象、あらゆるものが神として尊ばれる。
アニミズムの語源であるアニマは、精霊のことである。

神道では、「八百万の神々」と呼ばれている。
「八百万」は「多くの」という意味で、比喩として使われている。

数々の神々の中には、人々に技術をもたらしてくれた神々もいる。
神道では、穀物をつくる技を教えてくれた神、学ぶ道を示してくれた神、酒造りを教える神、木工術、金工、石工、機織(はたおり)、商い、漁労、薬の調合を教える、さまざまな神々が、称えられた。

 

原点は日本神話

日本は歴史を通して、話し合いで物ごとを決めてきたが、その原点は日本神話にある。

アメリカが日本占領によって、日本に民主主義をもたらしたなど、「たわけごと」そのもので、無知をさらけだしたものでしかない。

欧米人は、日本人が物事を決めるのに、西洋と比べて長い時間を必要とするのに苛立つことが、よく知られている。

だが、もともと日本の神々は「神議り(かみはかり)」と言って、そのつど合議によって方針を決めている。

太陽神である天照大御神が、天の岩戸のなかに隠れた時に、全宇宙が暗闇にとざされた。

慌てて高天原に集った八百万の神々が、会議を行った。

岩戸の前に、雄鳥(おんどり)を集めてきて鳴かせるとか、肉体美の女神が滑稽な裸踊りを演じるとか、さまざまな案が試されたうえで、ついに大御神が岩戸から出てきて、世界に再び光が戻った。

岩戸隠れ事件を引き起こした、大御神の弟のスサノオノミコト(須佐之男命)をどうしたらよいのか、やはり神々が合議する「神議り」が行われた。

神道は、一神教とまったく違って、民主的な宗教なのだ。

今日、日本国民の多くの者が、日本神話というと、「非科学的だ」と言って斥(しりぞ)けてしまうが、神道は日本人の深層心理を形づくっている。

六〇四年にの聖徳太子によって制定された「十七条の憲法」では、その第一七条で「大切なことは、みんなでよく相談して決めなさい。全員が合意したことは、正しい」と、定めている。

これは、世界最古の民主憲法といえる。

だが、聖徳太子がある日、思いついて書いたものではないだろう。
当時の日本人がいだいていた考え方を、太子が述べたものであるはずだ。

「一七条憲法」は、天の岩戸の前で八百万の神々が集まって「神議り」を行った、その精神の延長線上にある。

江戸時代は、諸民出身の多くの優れた学者が現れたが、農民だった二宮金次郎(1787~1856)も、その一人だった。

二宮金次郎は「君ありて、のち民あるにあらず、のち君おこる。蓮ありて、のち沼あるにあらず」と、説いている。
このような民主的発想は、同じ時代のアジアや、ヨーロッパでは、とうてい考えることができない。

二宮金次郎が、革命家であったわけではない。
日本人なら誰でも、そのような思いをだいていたのだった。

 

ありがとうございます。

ヘンリーさんはこうも言ってます

「日本に住み始めて、日本人と接すると、日本人が、相手を慮(おもんばか)って、察することを通して、「和」を大切にする人々であることが、肌で感じられるようになった。
歴史と伝統に誇りを持ち、独特の洗練された豊かな文化や芸術を、大切に育んできた人たちであることもわかった。
それどころか、世界に、これほどすばらしい歴史と伝統を持った国は、他にないと思うようになった。
私は日本に、イギリス人として、心から慈しみを感じるようになった。」

今の日本をみても同じことを言われるのでしょうか。

もちろん、日本人の多くは「和の心」をしっかり持っているとは思いますが、それを大切な、ありがたいことだと思っているでしょうか。

先日も書きましたが「あたりまえ」過ぎて「ありがたい」ことに気づいていないのかもしれません。

海外から来られた方々は、日本の文化に触れてみると、今までの自国との違いに驚かされるようです。

「あたりまえ」ではないからですからね。

そして「すばらしい」と感じてくれる方が大勢いらっしゃいます。

日本人である私たちは、自国のこのすばらしいことを改めて認識する時がきているのかもしれませんね。

2020年には東京オリンピックがあります。

1964年の時のオリンピックとは違います。

もちろん、選手は一人の競技者として参加しますが、私たちも日本人として参加しなければ。

世界に本当の平和が訪れるように、世界中に和の心を発信していかなければと思います。

どうか、2020年のオリンピックが商業ベース、経済最優先で行われませんことを祈ります。

 

今日も最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

日本には世界に誇れるすてきな文化があります。その文化をもって世界に笑顔をもたらしましょうね。

 

本:英国人記者が見た 世界に比類なき日本文化 (祥伝社新書)

 

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