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飲茶の風をたどって 「飲茶法の変遷」美味であったお茶

 

お茶を楽しもう

こんにちは。

今日も昨日に続いて栄西の「喫茶養生記」から、飲茶の変遷を。
茶のたて方、茶器のことなど昔はどうだったのでしょうね。

現在のお茶の生産ですが、28年度の農林水産省の発表では、収穫後それぞれの産地で茶葉に加工され消費地において製茶にブレンドして販売されます。
荒茶段階では約1000億円の産業規模があるそうです。
おもな産地は一番が静岡県、そして鹿児島県、三重県と続き京都府は4番目、5番目に福岡県が続きます。
上位3県で全国の栽培面積の約7割を占めるそうです。
京都は少ないのですね、びっくり。

お茶の種類としては、「煎茶」は静岡県・鹿児島県・宮崎県、「かぶせ茶」が多いのは三重県・福岡県、「玉露茶」が多いのは佐賀県・熊本県、そして「玉露」や「抹茶」の生産が多いのは京都です。

 

飲茶法の変遷

茶の薬効に併せてそれを飲むことが流行したもう一つの理由は、いうまでもなくそれが美味であったことである。
上記の茶書のいずれにも、どうしたら美味の茶を飲むことができるかについて、多くの文字を費やして説いている。
「大観茶論」を例に引くと、「甘い香りがして、濃い滑らかさがあるのが一番の味である」(意訳)ことをいっている。

それにはもちろん、茶のたて方が肝要であり、上記の茶書にはいずれもそれを詳しく説いている。
宋代になるとすでに粉末にした茶に湯をそそぎ、茶筅でもってかき回して飲むたて方が行われているが、茶のそのものの吟味はいうに及ばず、水・湯のことから、わかす湯の燃料のことまで厳しくいっている。
茶のたて方は茶の製法に由来するが、大体、葉を摘みとって蒸し、それを臼に入れて杵でつきかため、焙炉で乾かし、そのかためた茶を槌で砕き、臼でひいて粉末にして飲むという飲み方が広く行われていたが、なかには葉を煮て、羹(あつもの)のして飲んだり、いろいろのものと混ぜ、煮立てて飲むということもされた。
また茶釜で茶の葉を煮たてて飲むという我が国での飲茶の法も、唐代にはもう行われていた。

お茶を喫するなら素晴らしい器で

ところで、上記のいずれの茶書にあっても、茶器のことをこまごまと記しており、なかんずく茶盞(ちゃさん)の良し悪しをいっていることは注目しなくてはならない。
つまり同じ飲むにも飲む器物を選ぶということである。
素晴らしい器物で、おいしいお茶を飲むことができたら、味覚を一層たかめることになることはいうまでもない。

こういうことから、飲茶の歴史は、素晴らしい茶盞の製作を焼きものの歴史の上に跡づけることにもなた。
宋代の茶盞に見事なものが焼かれるに至ったのは、その一例とみていい。

このことは味覚に加えて、美意識による器物の鑑賞を伴った飲茶となったが、一方にまた天目茶碗が物語るような儀礼の飲茶が起こった。
天目茶碗は必ずや天目台に載せて用いられたものに違いないが、この茶碗は今日貴人の饗応に使われているように、儀礼用のものであったろうことを窺わしめる。
この茶碗に天目の名称のあるのは中国の浙江省の天目山で常用されていたことに基づくと伝えるが、すでに唐代に禅院で行われていた点茶が、宋代になってこの茶碗を禅院で仏前への供茶用に、あるいは衆僧の茶礼(されい)用に使うことになったのかも知れない。

 

ありがとうございます。

農林水産省の報告に栽培されている茶の品種は「やぶきた」が75%を占めるそうです。
続いてゆたかみどりが6%、さえみどり・おくみどりが3%と続きます(差が大きいですね)。
私が興味を引いたのは在来種が2%あるということです。
在来種とは交配することなくその地でづっと育てられてきた品種のこと。
どのくらい昔からそのままで育ってきたのでしょうね。
とっても飲んでみたい!

そう、お茶の栽培に関して農薬のことも少し。
お茶の栽培には少なくとも年4回~5回散布します。
他の農産物と比べて残留農薬の基準とされる数値が高いといわれています。
どうせ飲むなら無農薬のお茶を飲みたいものですね。

今日も最後までお読みいただきまして、ありがとうございます。
お気に入りのお茶葉と茶器、そして飲み方がありますか、どうせなら楽しく飲茶しましょうね。

写真は葉室山浄住寺の在来種。
多分、栄西さんが栂尾の高山寺に植えたときに同じく植えられたものと思います。
最初の写真は境内にある私が「茶の母」と呼んでいる茶の木です。

 

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