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「茶の湯」には日本の美、日本人の心が詰まっています

 

茶の湯には日本の美、日本人の心が詰まっています

こんにちは。

寒い寒い冬、花の少ない冬に真っ赤な美しい実をつける千両・万両・南天。
道端にたくさん見られます。
正月の縁起物としてこれから市場やお花屋さんにもたくさん登場してきます。
みなさんは、それぞれの違いをご存知ですか。
先日、街を歩いていて「これは千両?万両?もしかして南天?」とわからなくて。

見分けるには花の付き方がわかりやすいそうです。
千両の実は上向きで固まってついています。
万両は葉の下に垂れ下がるように実がついています。
南天は高さが高く2mぐらいのものが多いそうです。
ちなみに千両・万両は1mぐらいなので違いがわかりますね。
そして知らなかったのですが、百両・十両・一両もあるのですね。
それぞれ実のつきかたが少なくなっていくそうです。
なるほど。

千両・万両はお茶室のお花としてもこの時期よく使われますね。
もちろん色の美しさ、そして縁起の良い花として使われます。
今日はとても仲よくしていただいている「老松」さんの主人で茶人の太田達さんのご本「茶道のきほん 美しい作法と茶の湯の楽しみ方」のご本から素晴らしい茶の湯の心をご紹介したいと思います。

茶の湯は日本の美

今からおよそ1300年前に中国から伝わってきた茶ですが、それから約400年後に栄西禅師により佐賀県の背振山に茶の木が植えられ、抹茶法が伝えられたころから、一般に飲まれるようになったといわれています。
抹茶法とは、茶碗に直接茶の粉を入れ、これに湯を注いでかき混ぜて飲む方法で、今の薄茶に近い飲み方と思われます。
その後、幾多の茶人の手を経て、千利休のよってわび茶が大成されました。

茶の湯は「一服の茶を飲む」ことを目的としながら、そこには日本の美、日本人の心に出会うことができます。
それはまるで美の玉手箱です。
今日は、玉手箱を開けて見ることにしましょう。

まず、目にするのは「自然の美」でしょう。
露地に、一輪の花に・・・。
「利休百首」に、「花は野にあるように」という言葉があり、花はつぼみをいけ、野にあるがごとくに露をおき、茶会が進むにつれて花は開き、最高の美の瞬間を見せます。
茶室という小さな空間の中で、一輪の花の命の輝きにふれながら、お茶をいただきます。

「道具の美」「所作の美」

そして「道具の美」です。
茶碗、茶杓、釜・・・。
茶の湯に使われる道具は時代を映し、様々な茶人の手を経て伝えられてきました。
茶碗も年月を重ねると、例えば、茶が貫入に染み込み、これが味わい深い景色になり目を楽しませてくれます。
濃いグリーンの茶を回し飲みすると、一味同心。
陶工からのメッセージが伝えられ、心がひとつになる充実感がもたらされます。

茶室いう空間には派手さも豪華さもありませんが、吟味された自然の素材がさりげなくつかわれ、美しく見せる工夫が凝らされています。
こうした「室礼の美」にも感動します。
光と陰の美しさも見逃せません。

まだあります。
茶を点てる「所作の美」です。
棗から茶杓で抹茶を「茶碗」に入れる、茶筅を美しく、そして素早く振る。
ひとつひとつの動作には美しい型があり、その動作がおいしい茶を点てるにつながるのです。

最後に美の玉手箱で見つけたのは「亭主と客でつくる美」です。
亭主はかけがえのないひとときを大切に、真心を込めて準備をし客を迎えます。
客は亭主のおもてなしに礼をもって応えます。
一服のお茶を通して、美を分かち合い、美をつくっていく。
それが「茶の湯」です。

ありがとうございます。

江戸時代の学問所址である有斐斎弘道館において、茶文化をはじめとする各種講座を開く太田達さん。
本当に素敵な方です。
いつも習うことばかり。
弘道館でも素敵な講座がたくさん。

茶会は日本文化が凝縮されたステージ。
露地、茶室、茶道具・・・。
客は茶会で様々な道具に出合います。
亭主がこの日、この場のために選んだものです。
客はこれらのものを通じて、亭主のメッセージを受け取ります。
客は様々なものを見、体験し、想像をして、亭主のおもてなしを感じとることで、日本の文化を楽しみます。
それが茶会です。

今日も最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
一期一会のおもてなしを大切に、そして楽しみたいですね。

 

本「茶道のきほん 美しい作法と茶の湯の楽しみ方」著:太田達

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