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「大嘗祭」(11月14日深夜~15日朝) 「御代替り」「御世代り」の今年⑤

 

陛下の祈り

こんにちは。

大寒の初候のころではありますが、ほんわかした寒さ厳しくない今日。
三寒四温、3日寒い日が続くと、その後4日ほど暖かな日があるということ。
大寒とはいえ寒いばかりではなく、寒暖をくり返しながらだんだん春になっていくのですね。
日々の暮らしも悪いことばかりではないですよって。
ちゃんといいことが待ってますよって教えてくれているみたいですね。

平成の御代が終わりを告げようとしています。
平成の時代には大きな自然災害などがたくさんあり多くの被害がありました。
陛下もこの多くの災害に心を痛めていらっしゃることと存じます。
陛下、自らの御譲位のお話しも新たな御世が幸おおき世になりますようにと、祈りを込められていらっしゃるのでしょうね。

さて今日は御代替わりの中でも一番重要とされる「大嘗祭」のお話しです。

 


(写真:悠紀殿供饌の儀(H2.11.22)神社庁「御代替り」より)

御一大一度の重儀

毎年秋、天皇陛下は、その年の新穀を、御祖先である天照大御神をはじめ、神々にお供えし感謝を捧げる「新嘗祭(にいなめさい)」を宮中で御斎行になります。
なかでも、陛下が御即位後初めて行われる新嘗祭が「大嘗祭」です。
大嘗祭は、天皇御一代に一度行われる祭祀で、御位につかれるうえで不可欠なものであり、数ある祭祀の中で最高の重儀とされています。

大嘗祭は、特別に造営された「悠紀殿(ゆきでん)」「主基殿(すきでん)」を中心とした「大嘗宮」において斎行されます。
大嘗宮は古代の工法そのままの簡素な建物で、陛下はそこで古式に則った祭祀を親ら執り行われます。
また、大嘗祭は、全国を代表した斎田から採れた米が神饌として供されるように、まさに国を挙げた祭祀でもあります。

新穀を神々に奉(たてまつ)る祭祀は、古くは天照大御神がなさっていたことが「古事記」「日本書紀」に記されています。
つまり、これは長い歴史を通じて変わることのない天皇陛下の御勤めであり、陛下は、大嘗祭を通じて天照大御神の御手振りを今の世に再現されているともいえるでしょう。
そして、国家・国民の安寧や五穀豊穣を、天照大御神をはじめとする神々に感謝、また祈念されているのです。

 


(写真:大嘗宮全景 神社庁「御代替り」より)

大嘗宮の儀

悠紀殿供饌の儀・主基殿供饌の儀

大嘗宮の悠紀殿と主基殿において、夕方から深夜にかけて引き続き祭祀が執り行われます。
天皇陛下はまず御身を清められると、純白の御祭服をお召しになり祭祀に臨まれます。
そして、悠紀・主基両殿にお入りになられると、米をはじめ様々な神饌をお供えになり、御告文(おつげふみ)を奏(そう)された後、その神饌を陛下御自身もお召しに上がりになります。

 


(写真:大嘗宮平面図 神社庁「御代替り」より)

ありがとうございます。

室町時代の公卿・一條兼良(かねら)は著書「御代始抄(みよはじめしょう)」の中で「大嘗会は神代の風儀をうつす・・・」と述べています。
大嘗祭「大嘗宮の儀」は、夕刻から翌日未明にまで及ぶといわれています。
御大礼(ごたいれい 天皇の即位に関わる一連の儀式の総称)は、期日を報告し、お供えするお米を栽培する悠紀国と主基国(明治以降は県)を選ぶ神事から始められます。

新帝陛下は、数か月にわたり数々のお祭りを重ねられ、おごそかに御位を受け継がれます。

世界には様々な国があります。
君主制の国では、国王自身による宣誓や、聖職者の手による戴冠など、それぞれの国がその歴史や文化のなかで育んできた方法で、それぞれ即位の儀式を行っています。
これを古く日本では、新帝自信の挙行する全国規模の秋祭りを、特に重要なものとしてきました。

天皇とこの国に生きる私たちとの紐帯(むすびつき)は、単に神話だけによっているのではありません。
常に国と人々とともにあらせられる天皇と国民の、互いの信頼と敬愛にも基づいているのです。
新帝が国民とともに日本全体で行われている大嘗祭は、そうした天皇と私たちとの関係をあらためて実感させてくれる行事(おまつり)であるのかもしれません。

 

今日も最後までお読みいただきまして、ありがとうございます。
「世治まり民安かれと祈るこそ わが身につきぬ 思なりけれ」後醍醐天皇

 

参考
冊子:「御代替り 平成から新しい御代へ」神社本庁
冊子:「国やすかれ 民やすかれ」神社本庁
冊子:「奉到 御大禮乃儀式」神社庁

参考
「御代替り」「御世代り」の今年 天皇陛下と日本
「御代替り」「御世代り」の今年 天皇陛下と日本②
「皇位継承」「践祚の式」 「御代替り」「御世代り」の今年③
「即位の礼」 「御代替り」「御世代り」の今年④

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