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「おみや」「おやしろ」 神社のこと知らないことがたくさん

 

神社にお参りはしますが知らないことがたくさん

こんにちは。

1月ももうじき終わり、先日元旦を迎えたのに月日のたつこと早いものですね。
今日は72候「水沢腹く堅し(みずさわあつくかたし)」。
沢の水が厚く張りつめるころ。
日本の最低気温をご存知ですか、明治35年1月25日、旭川市で記録した-41℃だそうです。
想像できないですね。

さて、初詣はもちろんすまされてますよね。
私は、伊勢神宮、春日大社、鹿島神宮、香取神宮、熱田神宮、明治神宮とお参りさせていただきました。
意識してお参りしたのではなく、ご縁からお参りさせていただきました。
それぞれの神社をお参りしながら「?」と思うことがいくつか。
今日はその中の「どうして神社を「おみや」と呼ぶの」です。

 

「おみや」とは

日本全国集落のあるところには、必ず鎮守の森があります。
こんもりと繁った木立の中に神社が祀られています。
神社のことを「お宮」とも「お社(やしろ)」ともよびますが、どうしてなのでしょうか。

「宮」とは、尊敬を示す接頭語「み」と家を示す「や」とからなります。
漢字で示せば御屋・御家となります。
一般の住宅とは区別され、皇居や皇族などの住まいをいいます。
別のことばでいえば宮殿でしょうか。
宮殿にお住まいになられるから皇族のことを「宮さま」ともいいます。

皇居や宮殿のある所は、都(京)といわれます。
宮処(みやこ)という漢字をあてればその意味がよくわかりますね。
屯倉(みやけ)とは古代朝廷の直轄領から収穫された稲米(とうまい)を収める蔵を意味し、後に直轄領そのものを屯倉といいました。
これは尊敬を示す「ミ」と「ヤカ(宅)」が転じてできたことばであります。
、あた、公共を意味する「公(おおやけ)」ということばは「大家(おおやけ)から転じたといいます。

古くから最も尊貴な神社である伊勢神宮は、神宮(かみのみや)とよばれてきました。
単に神宮(じんぐう)といえば今日でも伊勢神宮のことです。
というわけで、後になり一般の神社についても「お宮」ということばで呼ばれるようになったのです。

 

「やしろ」とは

「やしろ(社)」の方はどんな意味があるのでしょうか。
「屋代(やしろ)の意。すなわち神籬(ひもろぎ)を神霊の来臨する屋の代わりとする意。①神の降下する所。神をいわい祭った斎場。②後世、神を祭る殿舎。神社」(広辞苑より)と解説されています。

「やしろ」に漢字の「社」を当てましたが、その背景には、中国において一つの集団が共同でまつる土地の神を社(しゃ)といい、その集団も社といったためです。
たいへんふさわしい字を当てたわけですが、やまとことばの「やしろ」の原義は、「屋代」であって、神まつりの姿・形式に由来する言葉でした。

「神を祀るとき、神を迎える地として土地を清め、神の宿るべき小屋を設けた。「や」は神霊の宿るところをいう。「屋代(やしろ)」の意。祭りの時だけの臨時のものであるが、後その建物が残され、神が常住する社となった」(「字訓」)

神籬とは神霊の依代のこと。
原初、清められた聖地に榊(神籬)を立て神を迎えたと思われますが、これがやがて、仮設の小屋(御屋(みや))となっていったことは容易に想像がつきます。
祭りが終われば、これらはそのまま放置されるか、焼却されてしまったにちがいない。
ところが、だんだんと立派な宮が建てられるようになると、祭りの後もこれが残され、神常住の神社として発展していきました。

 

ありがとうございます。

鎮守の森、昔々にはお宮(神社)はなく、森そのものをご神体としてお祀りしてました。
いまでも、鎮守の森にむやみに立ち入ることを禁じている神社も多くあります。

神社の入り口には鳥居がおかれており、それをくぐると拝殿までの参道がつづきます。
そして拝殿の背後に神社の建物のなかで中心的役割をもつ神殿がつくられています。
神殿は本殿や正殿ともよばれています。

神社にはこのほか、幣殿(へいでん)(神に幣帛というささげものをするところ)、神饌殿(しんせんでん)(神に供える食事を調理するところ)、祝詞殿(のりとでん)(祝詞をいれておくところ)、神楽殿(神楽を奉納するところ)といった建物があります。
参道の脇には灯籠、狛犬がおかれています。

これらの神社のつくりは、国内に寺院が広まる飛鳥時代(7世紀はじめ)以降に整えられました。
その形式がおおむねそのままのかたちで今日に受け継がれてきました。

 

今日も最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
悠久の時を経ても神を崇める和の道、心がいつまでも続きますこと願います。

 

参考
本:「日本語と神道」茂木貞純さん著
本:「日本人なら知っておきたい神道」武光誠さん著

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