今日の言葉 「不東」

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不 東(ふとう)

この二字の前に、法相宗の僧侶たる者、襟を正し慄然たらざるを得ない。

即ち始祖玄奨三蔵が前後十八年の渡天求法の旅を前にして、諸仏に加護を願われ、ご自分も成就あらざる限り、東に向かい一歩たりとも祖国へ歩まざるを誓われた。

この不東の精神であの大唐西域記の大旅行のみならず、一切の右願左眄を拝して1335巻、唯一筋飜のご生涯を貫かれた。

不足ながら薬師寺の白鳳伽藍復興と仏法興隆を願い、お写経勧進者として、私の不東の唯一路を頂戴している。

元薬師寺管主 高田好胤(たかだこういん)

 

説明文を読んでも難しい。

分からない言葉の意味をそれぞれ探ってみると

慄然(りつぜん) 恐ろしさにぞっとするさま。ふるえおののくさま。

玄奨三蔵(げんじょうさんぞう) 大唐西域記を元にご存知の伝奇小説、西遊記の三蔵法師のモデル。

右願左眄(うこさべん) まわりの情勢や周囲の思惑・意見を気にして、なかなか決断できないでいること。

唯一筋飜がわからないです。

 

一度、立てた「志」を決して曲げることなく、最後まで貫く

私たちが普段から馴染みのある「般若心経」も玄奘三蔵の翻訳です。

未知の世界へと足を踏み出した玄奘三蔵の勇気と執念には頭がさがります。

西遊記という物語がいつの時代にも多くの人の心をとらえて離さないのも、こうした実際の艱難辛苦を見事に乗り越えて、貴重な仏典を中国にもたらしたのみならず、わかりやすく翻訳するといった偉大な事業をやり遂げた玄奘三蔵がいたということが大きいに違いないですね。

玄奘三蔵院には高田後胤氏が揮毫した「不東」の額が掲げられています。

これは、玄奘三蔵がインドに向う途中に、タクラマカン砂漠で水を失ってしまい、生命の危機に瀕したとき一度だけ「東の唐に帰ろうか」と悩んだといいます。

そのとき、インドで仏典を得るまで決して東には帰らないと決意した出発の志を思い起こし、たとえ死しても東には帰らないと再び決意したというその言葉が「不東」です。

一度、立てた「志」を決して曲げることなく、最後まで貫くことを意味しています。

私たちもまたこの「不東」の言葉をみるとき、決して振り返らず最後までやり遂げるという決意を求められています。

玄奘三蔵がもたらした仏典は貴重なものであるけれど、最後まで「志」を貫くことの凄まじさをあらためて思い知りました。

私にとっての「不東」とは?

あらためて貫く心をしっかり持たなければ。

 

学びました。

本当にありがとうございます。

 



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