大日如来の役割・由来・見られる寺院

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密教の教えの中で「命あるもの全てを生み出した存在」とされているのが、大日如来です。

釈迦如来を含む全ての如来も、大日如来がいなければ存在しなかったと考えられています。

「宇宙の真理」「森羅万象」とも言われる大日如来についてご説明しましょう。

 

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大日如来の由来・役割

 

大日如来の考え方が生み出された密教は「秘密仏教」の略称と言われ、起源はおよそ1300年前のインド仏教にあるとされています。

日本に入ってきたのは平安時代の頃で、弘法大使の空海が中国に渡り、青龍寺の恵果という僧侶から密教を学んで806年に日本に持ち帰りました。その後、真言宗を開いたことが始まりとされています。

その密教の教えの中で大日如来は最高の存在とされており、「宇宙の真理」と言われることが多々あります。この言葉を言い換えれば、「絶対の神」や「人智を超えた非常に尊い存在」と表現できます。つまり、大日如来は命の創造主なのです。

大日如来の大日とは「大いなる、偉大な太陽」という意味です。元を辿れば、大日如来は太陽を司る毘盧舎那如来がさらに進化した姿だと言われています。

大日如来が放つ光は私たちがいつも目にしている太陽とは違い、昼も夜も世の中全てのものを照らし続けているのです。太陽が命の根源であり宇宙の中心であるように、大日如来もこの世の全ての命の根源だと考えられています。

大日如来は、密教の教えが書かれた「金剛頂経」と「大日経」という2つの経典に登場します。それぞれ、金剛頂経には智慧を表す「金剛界」の大日如来、大日経には慈悲を表す「胎蔵界」の大日如来について説かれています。

金剛はダイヤモンドという意味で、大日如来の智慧が何ものにも侵されず全ての煩悩を打ち砕くことからきています。胎蔵は、全ての理性が大日如来の中で胎児のように慈悲に優しく包まれていることを意味しています。

密教は、広く大衆に向かって分かりやすく仏教の教えを説くものではありません。また、文字に寄らない教えを指しているとも言われています。そこで登場するのが「曼荼羅」です。

曼荼羅は、密教の2つの世界を絵図によって表現したもので、「金剛曼荼羅」と「胎蔵曼荼羅」があります。その両方を合わせて「両世曼荼羅」とも称されます。

金剛曼荼羅は、9つに分かれた四角の上段真ん中に大日如来を描いており、九会曼荼羅とも言われています。胎蔵曼荼羅は、中央にある大きく開いた蓮の花の中に大日如来が描かれています。どちらも、密教の世界観を示したものです。

 

大日如来の御神徳・ご利益

 

大日如来は全ての根本ですので、どのような願いでも救ってくださる力をお持ちです。薬師如来が現世利益、阿弥陀如来が後世利益を与えてくれる如来でしたが、大日如来は現世にも後世にもご利益があるのです。

密教には「真言」という言葉があります。真言とは、仏の教えがこもった秘密の言葉を指しており、梵字(ぼんじ)=サンスクリット語(古代インドの言語)をそのまま音写したものになります。

金剛界では「オン アンビラウンケン」、胎蔵界では「オン バサラダトバン」と唱えます。

この真言を唱えることで、ご利益に繋がるとされています。真言は日本語ではありませんので、聞いていると呪文のように聞こえます。

真言はいくつも種類がありますが、その中でも最も強い力を持つと言われる「光明真言」が有名です。

文字にすると23文字の短いお経ですが、これを煩悩の数である108回唱えれば極楽浄土に導かれると言われているのです。

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大日如来の像容

 

大日如来の像容の特徴は、大きく3つあります。1つ目が身なりの違い、2つ目が印相、3つ目が坐像であることです。

大日如来のお姿は、他の如来とは全く異なっています。釈迦如来・阿弥陀如来・薬師如来は、みな螺髪があり、質素な布を一枚まとっただけのお姿でした。これらの如来は出家者となって長きに渡る修行の末に悟りを開いたため、そのような特徴を身にまとわれていたのです。

しかし、大日如来はもともと始めから仏の世界の王とされているため、宝玉で作られた冠やブレスレットといった装飾品を身にまとっています。また、髪型も長い髪を垂直に丁寧に結い上げています。

これらの特徴は他の如来とは全く異なるため、すぐに大日如来だと分かります。しかし、一見、絢爛豪華な菩薩の姿にもよく似ています。菩薩との違いは印相に注目して頂ければ、すぐに見分けがつきます。

胎蔵界の大日如来は釈迦如来と同様に、座禅を組む時の手の形(法界定印)を作っています。しかし、釈迦如来とは身なりが異なるため見分けがつきます。

一方、金剛界の大日如来の印は特徴的です。左手の人差し指をたてて、それを右手でしっかりと握っています。これは智拳印と呼ばれています。

たいていの菩薩は印を結んでいないため、豪華な身なりで印を結んでいれば大日如来だと判別できます。

最後にお伝えする特徴は、大日如来の立像がほとんどなく、基本的には坐像のみであることです。これは、「絶対的な神」である大日如来の不動の姿を表しているのです。

大日如来のお姿は、他の如来とは全く異なっています。釈迦如来・阿弥陀如来・薬師如来は、みな螺髪があり、質素な布を一枚まとっただけのお姿でした。これらの如来は出家者となって長きに渡る修行の末に悟りを開いたため、そのような特徴を身にまとわれていたのです。

 

大日如来が見られる有名寺院

 

大日如来で有名なお寺の一つは、奈良県の円成寺です。円成寺の大日如来坐像は国宝であり、日本仏師界の最高峰である運慶のデビュー作だと言われています。

空海の縁の地である和歌山県高野山にある、高野山霊宝館には金剛峰寺の大日如来坐像があります。

岩手県中尊寺には、一字金輪佛頂尊という大日如来像が安置されています。別名「人肌の大日如来」と言われるほど、まるで生きているかのような肌つやをしています。御開帳は不定期ですので、その美しいお姿を拝見出来る機会はめったにありません。

京都府の智積院や東寺、滋賀県の比叡山延暦寺には金剛界の大日如来が安置されています。

大日如来像は金剛界の物が多いのですが、京都府の広隆寺、大阪府の四天王寺、岩手県の瑠璃光院などは胎蔵界の大日如来坐像があります。

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大日如来のレプリカ像を手元に置いておくことは出来るのか

 

楽天で「仏像 大日如来」と検索すると、3200件以上の検索結果が表示されます。

仏像仏画チベット美術卸の天竺堂では、黄銅製の大日如来像が価格9,720 円(税込、送料別)で販売されています。大きさは高さ11.8cm×幅5.5cm×奥行5.5cmと小ぶりですが、光背は裏面まで造形が施されており存在感があります。

 

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

大日如来 黄銅製
価格:9720円(税込、送料別) (2018/2/25時点)

 

同様にAmazonでも仏像を探してみると、980件以上の商品が検索されました。

工場直販のこだわり仏像専門店 栗田貿易では、胎蔵界の大日如来が8.300円(税込、送料込)で購入できます。材質は桧木(ヒノキ)で、大きさは総高28cm×幅13.5cm×奥行10cmとなっています。

イスムショップでは、イスムスタンダードシリーズにて金剛界の大日如来坐像が販売されています。こちらは、運慶研究の第一人者である山本 勉氏を総合監修にむかえ、造形と色彩の専門家が加わった3名のプロフェッショナルによって作り上げられたものです。

店舗のこだわりが感じられる非常に完成度の高い仏像で、欠品が長く続いていたようです。しかし、現在は第2回目の販売がスタートしています。

まとめ

 

密教を伝えた空海は「密教の教えは奥深く、言葉や文字で伝えるのは難しい。図画を用いて学び広める。」と言っていたと伝えられています。その言葉通り、如来の中でも異彩を放つ大日如来像や幾何学的な模様の曼荼羅は芸術品としての面白みがあります。

このように仏教美術を鑑賞するという入口から、仏像の世界の魅力が広がっていくのではないでしょうか。



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