西郷隆盛 「敬天愛人」に秘めた凄み

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(写真:国立国会図書館蔵

 

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西郷どん

こんにちは。

今年のNHKの大河ドラマ「西郷どん」で改めて人気急上昇。

司馬遼太郎さんの「跳ぶが如く」は多くの方が読まれたのではないでしょうか。

幕末の日本の大転換期。

異国が戦艦で日本にやってきて、日本は右往左往、大さわぎ。

300年続いた徳川幕府も大政奉還によって政権返上を明治天皇に奏上。

ここから新たな日本の道がはじまります。

その幕末の大きな立役者、「西郷どん」はどんな人だったのでしょうね。

 

「敬天愛人」に秘めた凄み

明治維新の立役者ながら、西南戦争に敗れ逆賊として最期を迎えた西郷隆盛。

死後13年を経た明治23年に刊行されたその語録『南洲扇遺訓』は、名高い「敬天愛人」の言葉をはじめ、著者を残さなかった西郷の思想を具体的に伝える唯一の書物だ。

今年の大河ドラマの主人公となるなど、現在も衰えない人気を持つ西郷。

その人望は、存命中からすでに絶大なものがあった。

本書の一風変わった成立事情からして、西郷の人格的魅力抜きには成り立たない。

実はこの語録を編んだのは薩摩人ではなく、戊辰戦争で扇羽越列藩同盟の一員として西郷と敵対した旧庄内藩の関係者なのだ。

開戦のきっかけとなった江戸薩摩藩邸の焼き討ちを実行した庄内藩は、敗戦後に厳しい報復を受けることを覚悟していましたが、官軍の処置は予想に反して非常に寛大だった。

これが西郷の指示によるものと知った庄内藩士たちは感銘を受け、旧藩主自らが鹿児島の西郷の下に赴いて薫陶を受けるなど親しく交わった。

この際に彼らが聞いた話をまとめて、明治22年の大日本帝国憲法発布時の大赦で西郷が名誉回復された後に書籍として刊行したのが『南洲扇遺訓』だ。

以後、戦前から現在に至るまで、解説や現代語訳を交えたさまざまな版が出版された。

今も岩波文庫『西郷南洲遺訓』や角川ソフィア文庫『新版 南洲翁遺訓』、中公クラシックス『大西郷遺訓』など、各出版社が独自の編集を施した版を刊行し続けている。

遺訓本文は全41か条と追加の2条からなり、原文のみを記せば文庫本で15ページ程度に収まるごく短い分量だ。

内容は為政者のあるべき姿勢や日本文明化の方向性、人として行うべき道など、西郷さんの国家観や人間観が端的に語られている。

「道は天地自然の物にして、人は之を行うものなれば、天を敬するを目的とす。天は人も我も同一に愛し給ふゆゑ、我を愛する心を以て人を愛する也」(24条)

シンプルな記述ゆえに、現代人がしっかり読むとただ平板な道徳的メッセージとして解釈してしまいかねない。

だが同書に詳しい先崎彰容・日本大教授(日本思想史)は「単に人生教訓として表面的に読むのではなく、西郷がどんな儒教の教育を受けて、いかにそれを血肉化していたかという背景に目を向けなければならない」とくぎを刺す。

「人を愛するといっても、立場の違いで激しく殺し合った時代状況では、非常に困難なもの。だから最初に『敬天』が必要になる。天というのは儒教特有のある種の宿命論で、眼前の人間社会があまりに殺伐としているからこそ、それを超えた存在を考えなくてはならなかった」

陽明学の影響を深く受けた西郷の言う「天」とは、社会において自分が何をなすべきかという宿命の自覚を促す存在だった、と先崎教授は指摘する。

昔の聖人や賢者の書を単に知識として学ぶだけでは、どうしようもある。

いまや危機の時代である。

実践と行動こそが重要であり、それは眼前で崩壊しつつある日本社会の秩序を再構成することだー。

その思想が有名な「命もいらず、名もいらず、官位も金もいらぬ人は、仕末に困るもの也。此の仕末に困る人ならでは、艱難(かんなん)を共にして国家の大業は成し得られぬけり」(30条)との言葉にもつながってくる。

「敬天愛人」という一見穏やかな言葉の背後にひそむ、何もかも捨てて行動に邁進することを促す異常ならぬ激しさ。

そのことに思い至るとき、茫洋(ぼうよう)として優し気な風貌の「西郷どん」が秘めた凄みが見えてきくる。
(著:磨井慎吾・産経新聞 平成30年4月23日 月曜日より)

 

ありがとうございます。

 

最近、明治維新とは何だったのだろうかと考えてしまいます。

徳川幕府の世から天皇を中心にした「西洋式の新しい国家」が生まれたのではと思います。

明治維新から150年。

戦後70年。

よく、戦後、GHQによって「日本は延々と続く文化を捨ててきた」と言いますが、本当は15年前の明治維新から始まっていたのではないでしょうか。

「西郷どん」が今いたら、「なんじゃこの国は!」と、また立ち上がるでしょうね。

 

過去を顧みて同じ過ちをしてはならないです。

「自国の文化を捨てた国」とならないように、ぎりぎりの時が来ているのではないでしょうか。

「敬天愛人」の思いをもって、今本当に大切な事は何かを考えるとき。

そして、一人一人が一歩を踏み出すとき。

変わらなければ、私が。

 

今日も最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

この世の中が「ありがとう」でいっぱいになりますように。

 

参考

大政奉還から戊辰戦争が終わるまでのドタバタが超わかる! 幕末のクライマックスとは?

社是「敬天愛人」について

 



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