今海外でブームになっている盆栽「BONSAI」、盆栽生活を始めるためには? 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

今海外でブームになっている盆栽「BONSAI」、盆栽生活を始めるためには? 
日本の伝統文化の一つ、盆栽「BONSAI」は今、世界的ブームになっています。また、最近はスタイリッシュな盆栽も登場し、国内でも幅広い世代から再び注目を集めています。今回はそんな人々を魅了する盆栽「BONSAI」についてまとめました。

スポンサードリンク

海外でBONSAIが注目される背景

日本では少し地味な印象を持たれがちな盆栽ですが、実はとても奥が深いもの。まず盆栽について少しご説明します。盆栽とは、草木を鉢に植え、自然の風景を模して造形していく一種の芸術品です。枝、葉、幹、根、もしくはその姿全体を鑑賞して楽しみます。

盆栽は終わりのないアートと言われるほどに、仕立てる過程に長い歳月を要します。例えば、葉の茂み具合や色合いの調整のため天候や気温に気を配り、枝や花の数を調節し空間技法を取り入れることもあります。

自分好みの赴き深い姿にするために愛情をかけながら盆栽の面倒を見る、これこそが盆栽の醍醐味でしょう。

今や、多くの国の辞書に「BONSAI」と掲載されるほど海外で浸透しており、各国の人々からは「自国にはない新しい文化」「ずっと眺めていられる癒しのアート」と絶賛されています。

2017年に埼玉県で行われた「第8回世界盆栽大会」では、200もの業者が揃えた自信の品々を求め、世界各国から盆栽愛好家が多く来場し、長蛇の列をなしていました。

なぜ、これほどに盆栽は外国人を夢中にさせるのでしょうか。盆栽が海外で注目されるきっかけとなった背景をみていきましょう。

■盆栽ブームをけん引するヨーロッパ

世界の中でも、特にヨーロッパでは盆栽が早くから浸透していました。そして今なお盆栽ブームをけん引していて、日本からの盆栽の輸出も増加の一途をたどっています。

そのブームの始まりは、1900年パリ万博会場で日本の盆栽が展示されたことがきっかけと言われています。パリ万博の後、ヨーロッパでは盆栽の専門書など、盆栽に関する書物が多く出版されるようになり、徐々に認知度が高くなりました。

そもそもヨーロッパには、植物の世話をしながら美しい庭園に仕上げていく「ガーデニング文化」が昔から存在しています。手間暇かけてじっくりと、自分好みの姿に成長させていく盆栽もガーデニングに通ずる点があるのでしょう。

また、ガーデニング文化に加え、芸術にも敏感な彼らにとって、自然の雄大さや美しさなどの様子を小さな器に表現する盆栽は、まさに究極のアートと言えるのでしょう。

■世界各国へ広がる「BONSAI」

盆栽がヨーロッパ以外の国にも本格的に認知されるようになってきたのは、第二次世界大戦後のことです。火付け役は1964年の「東京オリンピック」と1970年の「日本万国博覧会」です。

日本万国博覧会で政府は日本庭園を出展しました。そこでは、全国から集めた名品の盆栽を展示していました。日本の出展施設は外国の方に大変好評だったようです。

日本庭園で盆栽の美しさを目にした彼らは帰国後、母国でも日本庭園や盆栽についての話題を取り上げ、それによって認知度が上がっていきました。

■外国人が「BONSAI」を好きになる理由

外国人が「BONSAI」が好きになる理由は大きく分けて3つあると考えられます。

1つ目は、昨今の訪日外国人観光客の増加を見ていてもわかるように、外国人の間で日本文化への関心が高まっていること。特に日本庭園は日本の侘び寂び文化の極みともいえ、独特の世界観が興味・関心の対象であり続けています。

2つ目は、盆栽が持つアート要素です。盆栽で使用する植物や鉢の種類は、大きさも形状も様々です。つくり手が思いのまま自由に創り上げていく盆栽は「生きたアート」と高く評価されていて、外国ではインテリアや贈り物としても盆栽を取り入れています。

3つ目はSNS(ソーシャルネットワーク)の普及の影響です。InstagramやFacebookなどのSNSは世界的に利用されており、感動したもの、驚いたものなどを写真に撮って簡単にインターネット上で共有できます。

これらは、外国人が盆栽を知り、興味を持つきっかけを生んでいるのです。
ちなみに、戦国武将の上杉謙信が姉に贈ったといわれる盆栽「謙信峠」の画像もSNS上にアップされ、海外で話題になった例もありました。

日本の伝統文化である盆栽を始める方法

では、盆栽を始めてみたいと思った際、どのようなことから始めたらいいのでしょうか。
盆栽初心者の最初のステップは、盆栽に適した良い素材を選ぶこと。盆栽が美しく育つかどうかは、素材選びが大きく影響します。ここでは初心者向けに、盆栽に適した素材の選び方をご紹介します。

■枝や幹
幹は、根元から幹が生える部分が真っすぐで、太さは均等である方が良いです。途中の幹の曲がりについてはお好みに合わせて選んでくださいね。枝は、太すぎないものが好ましく、枝の本数は多く均等に生えているものがよいです。枝や幹があまり傷ついていないものにしましょう。

■葉の色
葉は艶があり生き生きとした緑色のものを選びましょう。葉の形は種類により様々なので好みによりますが、小さめで繊細な葉が盆栽向きとされています。

■根
根は本数が多く、均等に幅広く広がったものが安定するので盆栽に向いています。

■耐性
盆栽は自然環境とは異なり、小さな鉢の中で十分に根を伸ばせない厳しい環境に置かれます。そうした環境に耐えられる健康的な素材選びが大切です。

また、日本には四季があるので、どんな気候でも適応できる力が備わっている植物、かつ実際盆栽を育てるお住まいの地域の気候にあった植物を選ぶと良いでしょう。例を挙げると、街路樹でよく見かける楓、紅葉などは比較的育てやすい植物と言えます。

■市販の盆栽を購入しよう
盆栽をイメージ通りの形に仕上げるには時間がかかります。そこで初心者は、園芸店やインターネット通販で市販の盆栽を購入し、まず盆栽の手入れをすることから始めてみてはいかがでしょうか。鉢を植え替えたり、針金をかけて樹形を整えたりし、手軽に盆栽を楽しむことができますよ。

■種木・苗木から始めよう
盆栽の素材となるのが種木・苗木です。種木・苗木には成長度合いの違いがありますが、その中でもある程度成長して枝葉の形ができた若木は比較的安価なうえ、扱いが楽なため、初心者にはぴったりです。

■用土を選ぼう
盆栽に適した用土は、通気性や水はけが良いものです。最もよく使われているものが、火山灰土の赤土が粒状になった「赤玉土」です。多孔質なので保水性にも優れています。

もう一つ、盆栽でよく使用されている用土が「桐生砂」です。火山礫が風化した粒状の用土で、赤玉土以上に通気性や排水性に優れている特徴があります。

他にも様々な用土が存在しますが、どの用土も基本的に単体使用はしません。植物に合わせ、通気性、水はけ、保水性のバランスを調整し配合して使います。

■鉢を選ぼう
鉢は盆栽そのものの美しさを左右する重要なアイテムです。植える植物によって鉢の材質や形、色の選び方は異なりますが、ご自身の感性で鉢を選んでみましょう。

盆栽で使用する鉢には基本「仕立て鉢」と「鑑賞鉢」の2種類の鉢があります。仕立て鉢は鑑賞前の盆栽を育てる際に使用するものなので、通気性と水はけのよさが特徴の「駄温鉢」がよく使用されます。
鑑賞鉢はバリエーションが豊富で、様々な色や形のものがあります。中でも丸鉢は、どこから見ても同じ形状に見えるので、作品の正面が植物の成長過程でずれたとしても問題なく使えるため初心者に向いています。

鑑賞鉢を選ぶポイントは、植物と一体感を表現できるかどうかです。鉢ばかりが目立ちすぎないように気をつけましょう。

盆栽の起源について

日本の伝統文化として愛され続けている盆栽ですが、その発祥は日本ではないのをご存知でしょうか。約2500年前、中国の唐の時代に貴族階級が嗜んでいた小さな器に小さな木を特別な技術で育てる芸術=盆景(pun-sai)が、盆栽の起源と言われています。

どうして日本で流行したのか

中国の盆景がどのようにして日本に入り、流行したのでしょうか。一説によると平安時代末期に日本に移住してきた江南地方の貿易商人たちが盆景を持ち込んだとされています。

万葉集や平安時代の絵巻物に鉢植えのような描写があることから、盆景が日本に入ってくる以前から、日本では植物を鉢に植えることはされていたようですが、中国の盆景の影響を受けたことで、鉢植えに景色が盛り込まれ、日本の「盆栽」が生まれました。

鎌倉時代になると、盆栽は文化的に強い権力を持った貴族、禅僧の間で流行しました。

その後、時代は江戸時代に移ると盆栽の栽培が盛んになり、上層階級だけではなく武家階級や庶民の間にも広く浸透するようになりました。

江戸時代に活躍した三代将軍・徳川家光も盆栽の愛好家であったと知られており、彼が育てたとされる松の盆栽は樹齢約600年にもなりますが、今なお皇居内の大道庭園に現存しています。

その後、明治時代になると、次第に経済的に余裕のある熟年層が好む傾向が表れ始めました。盆栽は高値で売買されるようになり、一種のステータスシンボルであったといえます。

戦後は、庶民に盆栽が定着し始めました。景気が良くなると、国内では園芸ブームが起き、各地で手軽に盆栽が買えるイベントなどが開催されるようになりました。

そして現在。技術の向上にともない、固定概念にとらわれない数々の名品が生み出されています。

現代盆栽アーティスト 平尾成志さんについて紹介

従来の盆栽の趣を残しつつも、自由な発想でスタイリッシュに進化した盆栽を「現代盆栽」と呼んでいます。若手の現代盆栽アーティストの活躍が注目を集めていますが、その中でも世界を舞台に活躍する平尾成志(ひらおまさし)さんについて紹介します。

平尾成志さんは、徳島県三好市出身。大学時代、東福寺の重森三玲作・方丈庭園に感銘を受けたことが盆栽アーティストを目指すきっかけだったとのことです。さいたま市盆栽町の加藤蔓青園(盆栽師・加藤三郎氏)に弟子入りしました。

「2013年度文化交流使」に任命され11ヵ国もの国を訪れました。各国で日本の盆栽の魅力、楽しみ方を伝授するとともに盆栽を通して文化交流を行ってきました。

ブータンを訪問した際は、国王に盆栽を寄贈するとともに国王に直接盆栽の技術をレクチャーするという大役を務めました。

平尾さんの活動の目的は盆栽を広めること。国内外問わず活動を行っています。

例えば海外では「盆栽デモンストレーション」といって限られた時間内で盆栽を作り上げるイベントや、異文化とコラボレーション、ギャラリー展示などの活動に力を入れています。

日本では、現在の生活空間にマッチする新しい発想の盆栽を提示し、盆栽を知らない若い世代に向けた講演などを行っています。

盆栽がここまで進化した内容について紹介

盆栽は驚くほどの進化を遂げています。従来の型にはまらない現代盆栽の作品をご紹介します。

■空飛ぶ盆栽「Air Bonsai」
「Air Bonsai」はまるで手品のように苔玉が台座の上に浮きゆっくりと回転しています。盆栽の常識を覆す斬新な作品。苔玉が浮く仕組みは苔玉と台座の中に磁石が入っており、磁石の反発力を利用しています。

■アクア盆栽
土を使わず、水だけで育てる盆栽です。従来、土に隠れて見えない根を鑑賞することができます。お手入れも週1回の水替えのみと簡単なので、気軽に挑戦できる盆栽ですね。

■彫刻盆栽
枯れた幹や枝の部分を切り落とさず彫刻を施して活かす作品です。

■壁掛け盆栽
絵画のように壁にかけてその姿を鑑賞する盆栽。大地に根を張り太陽に向かって生長する植物の概念そのものを覆す作品です。

まとめ

日本が誇る伝統文化「盆栽」について様々な角度からお話しました。外国人の盆栽愛好家の勢いは増すばかりですが、それに負けないほど私たち日本人も、もっと盆栽に触れていきたいものですね。

現代には、幅広いスタイルの盆栽が存在するので、探せばライフスタイルに合うお気に入りの盆栽もきっと見つかるはずです。盆栽と共に穏やかな時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

 

茶道を始めるには?マナーや道具について解説

日本に愛される抹茶、その歴史について



  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。

スポンサードリンク
Translate »