茶道以外でも使える!便利な懐紙の歴史や使い方

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茶道以外でも使える!便利な懐紙の歴史や使い方

茶道を嗜む人にとっては馴染みのある懐紙。実は茶道以外でも使うことができる、粋で便利な品なのです。懐紙という言葉を初めて聞く人にもわかるように、懐紙入れも含め、その歴史や使い方について詳しくご紹介して行きましょう。

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懐紙とは

懐紙という文字を見ても、読めない人もいるのではないでしょうか。これは「かいし」と読みます。「ふところがみ」と読むこともあります。

懐紙と聞いて、「茶道に使うもの」というイメージが湧いてくる人もいれば、聞いても全くピンとこない人もいますよね。懐紙は、確かに現代では茶道の際に使うことが多く、最も一般的な使い方と言えるでしょう。

でもこの懐紙、決して茶道のためだけの道具ではありません。

懐紙とは、文字からもわかるように、懐に入れて携帯するための小ぶりで二つ折りの和紙のことです。懐、とは衣服の胸の辺りの内側部分のこと。着物が重なっている胸元部分に挟んでいたわけですね。

懐紙の大きさは男性用が17.5×20.6 cm程度、女性用が14.5×17.5 cmのものが一般的です。このサイズのものは本懐紙とも呼ばれています。懐紙の束は一帖と呼ばれ、一帖30枚入っています。

懐紙といえば白しかない、と思っている人も多いかもしれませんが、実は色や柄は様々あります。とはいえ男性用は白無地が圧倒的に多く、色柄のあるものはあまり販売されていません。

女性用には数多くの色柄が揃っています。全体が透し模様のものもあれば、季節に合わせた色柄、おめでたい時の柄もあります。懐紙といえば和のイメージがありますが、和風の柄だけでなくモダンな柄も多数販売されています。

また、和紙といっても紙質は全て同じではなく、吸水しにくいもの(にじみ止め加工がしてあるもの)や吸収性のよいものがあります。

形に特徴があるものもあります。それは一枚紙でなく、片側が袋状になっているものです。これは食べ残しのお菓子などを包んで持ち帰る際に便利なのです。

懐紙入れとは

懐紙入れは、その名の通り懐紙を入れるものです。帛紗挟み(ふくさばさみ)とも呼ばれます。懐紙入れは懐紙だけではなく、他にも茶席で必要な菓子切りなどの小物を一つまとめに入れて使用します。

大きさは、材質などによって差がありますが、縦 10〜11cm × 横 16〜18cm × 厚さ 1〜2cm くらいのものが一般的です。

素材は絹100%の西陣織や龍村織物のような重厚感のあるイメージが強いかもしれませんが、麻や綿、ポリエステル、室町紗紙(襖紙)、皮など、様々なものがあります。

形は、三つ折り・つづれ・二つ折り(利休型)などに分類されますが、使い方はどれも同じです。また留め具がついているものと、上から被せる形で開閉するものがあります。

懐紙自体が茶席で使われることが多いため、懐紙入れも茶道用の道具として使用しますが、他にも様々な使い方がありますので、後にご紹介します。

懐紙の歴史

懐紙が使われ始めたのは平安時代。茶席の時だけでなく、貴族階級が常に懐に紙を畳んでいれて持ち歩いていた、必需品でした。

時代劇で着物姿の方に注目すると、胸元に懐紙が差し込まれている様子が見られることもあります。

用途は実に様々で、鼻をかんだり、手を拭ったり、菓子を取ったり、盃の縁を拭ったり、と現代でいうハンカチやティッシュのように使うこともあれば、メモ用紙や便箋としても使用されていたのです。

平安時代の宇津保物語、源氏物語、枕草子などの書物には、この紙を使用して手紙を書いた例が記されています。

また詩会や歌会の際、自詠の詩歌を清書して提出するための正規の料紙に用いられました。この詩歌が書かれた作品そのものも懐紙と呼ばれます。これらは「詩懐紙」、「和歌懐紙」とも呼ばれています。男性は檀紙を、女性は薄様の斐紙を使用するのが一般的でした。

平安中期の藤原佐理筆詩懐紙、同末期の西行などによって詠まれた筆一品経(いっぽんきょう)和歌懐紙、鎌倉初期の後鳥羽院などの筆熊野懐紙、などが有名です。他にも熱田本懐紙、春日懐紙、聚楽懐紙など、多くの懐紙が残っています。

江戸時代には紙の流通が増え、貴族階級だけでなく、一般庶民にも広がっていったようです。庶民にとっての懐紙は歌を詠むためではなく、化粧直しなどに使われていたようです。明治時代になっても、特に女性にとっては必需品だったと言われています。

現代では、茶道の道具としてのイメージが強いですが、それはなぜでしょうか。明確な記録があるわけではありませんが、茶道で有名な千利休が茶事に使うようになったことから始まったと言われているようです。

茶道における懐紙の使い方

続いては、使い方についてご紹介していきましょう。まずは茶道における懐紙の使い方です。三千家(表千家・裏千家・武者小路千家)の違いについてもご紹介します。

①お菓子をいただく時に使う

<主菓子>
懐紙にはあらかじめ菓子切りを挟んでおきます。お菓子が自分の前に来たら、まず、懐紙を膝前に置きます。この時、菓子切りの端を少し出しておくと良いでしょう。また懐紙を一枚だけ取り出して置くのではなく、束ごと使用します。

左手を菓子器に添えて、箸で主菓子を懐紙にとります。箸先の汚れを清める時も、懐紙の右角を使用します。

食べる時には、懐紙ごと胸の辺りまで持ち上げていただくようにします。食べ終わった菓子切りを懐紙で拭い、汚れた懐紙は持ち帰ります。

水分が多い水まんじゅうなどのお菓子によっては、硫酸紙などを使用します。これは、懐紙に水分がにじまないようにするためです。

お菓子が食べきれない時も、懐紙に包んで持ち帰ります。ただし、食べかけたものは食べきるのがマナーです。手をつけていないお菓子を包んで持ち帰るようにしましょう。

◇流派による懐紙の置き方の違い
・表千家
折り目が手前になるように置き、束のうち一番外側の懐紙を上に折り返します。この時、懐紙の裏面が表に来ることになります。

・裏千家
折り目が手前になるようにそのまま置き、折り返しはしません。

・武者小路千家
こちらも折り目が手前になるように置き、外側を折り返します。この時、懐紙の裏面が表になります。水分が多い水まんじゅうなどのお菓子によっては、外側の一枚だけを裏返して四つ折りにし、残りの懐紙の上にのせることもあります。

<干菓子>
ほとんど主菓子と変わりありませんが、干菓子は手を使っていただきます。汚れた手は、懐紙の右角で拭います。

②飲み口や手を拭う時に使う

お菓子をとった手を拭う時にも使うとご紹介しましたが、薄茶の際、茶碗の飲み口を手で拭ったあと、汚れた手を懐に入れた状態の懐紙で拭います。濃茶の場合は、飲み口を懐紙で拭います。

茶道というのは、流派によって細かい違いがあります。しかしあまり気にしすぎず、相手を思いやる気持ちを忘れない振る舞いをすることを心がけていれば大丈夫です。おもてなしの心と時間を楽しみましょう。

茶道における懐紙入れの使い方

懐紙入れはその名の通り懐紙を入れる入れ物です。しかし、懐紙だけを入れるのではありません。古袱紗や懐紙、楊枝や扇子など、茶会に必要なもの一式を入れて使います。汚れた懐紙を懐紙入れに入れて持ち帰るのにも便利です。

懐紙の便利な使い方

ここでは、茶道以外での懐紙の使い方についてご紹介していきます。

①様々なものを拭う

茶会でも、汚れた手や菓子切り、茶碗などを拭うのに使ったと思いますが、それは茶会だけに限りません。ティーカップやワイングラスの口元が汚れた時、何かで手が汚れた時、さっと懐紙を取り出して拭うことができます。

②ちょっとしたお菓子を置く

会社などで、1つ1つ梱包されていないお菓子が配られた時を想像してください。その場ですぐに食べてしまうか、ティッシュの上に置くか・・・というところだと思いますが、そんな時に懐紙を出して使うことも可能です。

③箸置きや箸袋として

箸を食器の上に渡して置くのは、本来はマナー違反。でも箸置きが見当たらないなら、懐紙で箸置きを作りましょう。食べ終わった際も箸袋がなければ、懐紙で箸袋を作ってお箸を入れ、食事終了の合図ができます。

④コースターとして使う

にじみ止めのない懐紙は吸水性に優れているため、コースターとして使えます。白でもいいですが、柄付きのものだと、飲み物がより一層美味しくいただけそうですね。

⑤メモ帳として使う

平安時代の貴族がそうしていたように、メモ帳として使うのもよいでしょう。和風の柄、モダン柄、ポップ柄など様々な模様のものが販売されていますので、それらであればメッセージカードとしても使えます。

ただしコースターと同じく、にじみ止めがないものに限ります。にじみ止めがあるものはインクをはじいてうまくかけませんので、ご注意くださいね。

⑥ラッピングとして使う

用意したお菓子が余ってしまった時、懐紙で簡単に包んでお土産に持って帰ってもらうこともできます。色柄が豊富なので、それ以外のプレゼントラッピングとしても、活用することができます。

⑦ポチ袋として使う

親戚や知り合いにちょっとお小遣いを渡したいけどポチ袋を持っていない・・・。そんな時でも懐紙を持っていたら、即席のポチ袋を作成することができます。何かしらのお金をお渡しする時にも、もちろん使えます。

懐紙には慶弔を表す折り方があるので、お札を包むだけで使用する時には、十分注意しましょう。

⑧化粧直しに使う

懐紙は吸油性にも優れています。そのため口紅やファンデーションを抑えたり、あぶらとり紙として使ったりするのにもぴったりです。

⑨お料理の敷き紙に使う

天ぷらなどの油で揚げたお料理でも、懐紙は油を良く吸い、お皿の汚れを防いでくれます。懐石料理などでも、実際に使われているところを見た方も多いのではないでしょうか。

⑩ティッシュ・ハンカチの代用として使う

特別なものを拭うということではなく、吸水性に優れた懐紙は、普段使いのティッシュやハンカチの代わりに使うことができます。パーティバックなどの小さいバックの際には、懐紙だけを入れておけば、それらの代わりになりますよ。

懐紙入れの便利な使い方

懐紙入れなんて、茶会の時しか使えないのでは?と思った方もいると思います。でもこの懐紙入れのサイズは、実に様々なものを収納するのに適しているのです。

①ハンカチ、ティッシュ入れ

そのままカバンに入れておくと、知らない間に汚れがついてしまったり、すぐに見つからなかったりするハンカチ、ティッシュ。ひとまとめにして懐紙入れに収納しておけば、汚れもつかずさっと取り出せてスマートです。

②パスポートや手帳入れ

懐紙入れは、実はパスポートにぴったりのサイズ!わざわざパスポートケースを購入しなくとも、普段は別のものを入れている懐紙入れを代用することも可能です。小さな手帳であれば、手帳ケースにもなりますよ。

③印鑑と通帳入れ

実は懐紙入れ、たいていの通帳にもピッタリサイズ。印鑑も一緒に収納できて、大変便利です。

④小さな化粧用品入れ

コンパクトを複数入れることはできませんが、例えばチークブラシや各種ペンシル、口紅などの細々とした化粧品を収納してはどうでしょうか。化粧直しの際さっと懐紙入れを出すと、粋で素敵です。

懐紙を購入するには?

懐紙は安いもので一帖60円程度、高い物でも1000円にもなれば、品質もデザインも良い懐紙を購入できます。

懐紙なんてどこに行けば買えるのか?と疑問に思うかもしれませんが、デパートに文房具屋さん、実は100円均一ショップでも購入することが可能です。
現代のことですから、もちろんインターネットでも簡単に購入でき、様々な色柄を選択することができます。

懐紙は消耗品ですから、用途や季節に合わせて、複数購入しておいても良いでしょう。

懐紙入れを購入するには?

懐紙入れもデパートやインターネットなどで気軽に購入することができます。こちらもインターネットでは豊富な色柄、素材から選択することができますし、1つ1つ詳細な説明文がついていることも多く、選びやすくなっています。

懐紙入れは、生地の質、柄にこだわっているものが多くありますので、ぜひお気に入りの1つを探してみてくださいね。

最後に

懐紙は茶道の時のみに使うのではなく、様々な使い方ができ、大変便利であることをお分りいただけたでしょうか?一帖の懐紙を普段から持ち歩いているだけで、きっと何度も活躍する場面がやってくるでしょう。

色柄が豊富な懐紙や懐紙入れの中から、お気に入りを選び取るのも、楽しい作業です。

平安時代から大人のマナーとして必需品であった懐紙。和小物は敷居が高そうだと感じる方も多いですが、決してそんなことはありません。

ビニール製のポーチも良いですが、懐紙入れに懐紙を入れて使用し、大人の振る舞いを身につけるのも素敵なのではないでしょうか。

 

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