憧れの和小物 数寄屋袋の魅力

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憧れの和小物 数寄屋袋の魅力

「数寄屋袋」。なかなか馴染みのない袋の名前ですが、「すきやぶくろ」と読みます。茶道で使う扇子や帛紗、楊枝、懐紙などの道具を入れる大きめのポーチのような袋のことを指します。この数寄屋袋、普段使いできるとても素敵な和装小物なのです!

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色々使える便利な和小物</h2>

茶道を習っていらっしゃる方は、お道具入れとして数寄屋袋の存在は身近なものだと思います。数寄屋袋がなくてもお稽古はできますが、一つ持っておくと大変便利なものです。

価格も幅はありますが、それほど高いものではありません。柄も素敵なものがたくさんあり、お好きなものをお使いになられると気分も上がるでしょう。

また、茶道を習っていない方でも、普段使いのポーチとして、またクラッチバックとしてもお使いになることができます。素敵な和小物をオシャレのポイントに持っている方は手も素敵ですよね。是非身近な和小物としてお使いになられてみてはいかがでしょうか?

そもそも「数寄屋」とは何?

実は数寄屋(すきや)の「すき」とは「好き」の当て字だそうです。「好き」とは何かに執心することを表しており、この意味から「従来の型にとらわれず、自分の趣味趣向に合わせて自由に作った建築」を数寄屋といいます。またこの数寄屋が茶道と大きく関係のあることから、茶室を「数寄屋」と呼ぶこともあります。

茶室=数寄屋ということですので、数寄屋袋も茶室で使う袋、「茶室袋」という意味で理解していただいて良いと思います。

<数寄屋の歴史>
茶室を数寄屋と呼ぶようになったのは、安土桃山時代からだと言われています。当時茶室には書院造が用いられていましたが、茶人たちは格式ばった豪華な茶室を嫌い、質素ながらも軽やかで洗練されている茶室を好み、数寄屋が確立されたと言われています。

その特徴として、床の間の段差をなくすこと、床框を省略することで、無駄を極力なくし、最小限のシンプルさを追求した作りとなっています。木や竹の持つ素材の良さをそのまま生かし、木目や色合いの良さ、また年月が経つことによって生じる変化さえも楽しむため、無駄な加工などもされていません。

このように建築された茶室を「数寄屋造り」と呼びます。数寄屋造りは日本の伝統文化ですが、特に決まった建築方法はなく、「茶室様な家」というような自由なデザインが特徴です。数寄屋自体、茶道に通ずる「禅の心」「侘びさびの心」が取り入れられており、当初は質素なものでありましたが、現在では高級感のある和装建築の代表となっています。

数寄屋袋の使い方

<数寄屋袋はどう使うの?>
数寄屋袋は茶道のお稽古の際に、必要な道具を収めるために使うのが本来の使い方です。
では茶道に必要な道具とは何を指しているのでしょう。茶道を始めるにあたってまず揃えなければならないお道具は7つあります。

その7つ道具とは、“扇子(せんす)”“帛紗(ふくさ)”“古帛紗(こぶくさ)”“懐紙(かいし)”“楊枝(ようじ)”“楊枝入れ(ようじいれ)”“懐紙入れ(かいしいれ)”を指します。
この7つ道具を持っていれば、いつでも茶道のお稽古が始められます。

<茶道7つ道具について>
少し話はそれますが、せっかくですので、この茶道7つ道具について少しご紹介させていただきたいと思います。

これらのお道具は、実は流派によって使うもの・サイズが決まっている場合があります。お道具は特殊な物ですので、買う前にまず茶道の先生に確認をしてから揃えることをおすすめします。

初心者でもベテランの方でもどなたでも持っている7つのお道具。お気に入りのものを使えば、お稽古にも力が入りますし、一度揃えてしまえば何年でも使うことのできるものです。是非ご自分のお好きなものを見つけて大切に使っていきたいですよね。

①扇子(せんす)
一般的な扇子と比べると小ぶりです。挨拶の際などに使用するためのもで、開いて仰いだりはしません。男性用と女性用があり、男性の方がやや大きめに作られています。

茶室に入る際、挨拶する際、また道具を拝見する際に、ひざの前に扇子を置き、扇子とひざの間に両手をついて挨拶や拝見をします。
ひざの前に扇子を置くという行為は、相手との間に結界を作り「相手を敬う」という気持ちを表している、といいます。

②帛紗(ふくさ)
ふくさ、と聞くと結婚式やお葬式でお金を包むものを想像される方も多いかと思いますが、茶道で使う帛紗は、お金を包むことはせず、茶道具を清めたり、お茶碗やその他のお道具を拝見したりする際に使います。

漢字の違いで言うと、お金を包むふくさは「袱紗」。茶道で使うふくさは「帛紗」。という風に使い分けられていることがあります。布地は塩瀬と呼ばれる絹でできた織物です。こちらも男性女性・流派によって使う色・柄があります。

③古帛紗(こぶくさ)
帛紗より小さいもので、濃茶をいただく際に、下に敷いたり、道具を拝見する際に使われたりするものです。

④懐紙(かいし)
懐紙は、お菓子を取り分ける際、お皿代わりに使用します。また、お茶をいただいた際に手を清めたり、飲み口を拭ったりするために使われます。お茶菓子を食べきれない場合などはこの懐紙に包んで懐にしまい、持ち帰ります。

⑤楊枝(ようじ)
「菓子切り」とも呼ばれます。お菓子をいただく際に使うもので、すぐに取り出せるように、楊枝入れに入れ、懐紙に挟んでおきます。楊枝と言っても家庭にある爪楊枝のようなものではなく、黒文字と呼ばれる木製、ステンレス製、象牙製、樹脂製など様々な素材の楊枝があります。

⑥楊枝入れ(ようじいれ)
鞘(さや)ともいい、上記の楊枝を入れておく袋です。懐紙挟や古帛紗と同じ生地のものにすると統一感があって素敵です。

⑦懐紙入れ(かいしいれ)
「帛紗ばさみ」「懐紙ばさみ」とも呼ばれている、茶道の道具を入れる袋のことです。数寄屋袋より小さく、道具を入れた懐紙入れをそのまま数寄屋袋に入れて持ち運びます。

どれもこだわればこだわっただけ良いものがありますが、初めから良いものを使うよりは、お稽古で精進し、ご自分の好きなものがわかってきたら、少しずつ揃えていくのがいいでしょう。

<数寄屋袋はお稽古時のみ使う>
実は数寄屋袋はお稽古の際のみ茶室に持っていくものです。正式なお茶の会には、帛紗や懐紙、楊枝は胸元に、扇子は手に持って入ります。ただしお茶席に入るまでは数寄屋袋にお道具を入れておくのはOKです。

<数寄屋袋の購入先>
デパートや百貨店、茶道具屋さんでしたら必ず手に入るものですが、今はインターネットで検索するととても素敵な数寄屋袋がたくさん出てきます。お値段も、2000円~30000円くらいまでを中心に様々なものがあり、使われている生地・作り手の技術になどにより異なります。

特に季節を問わず使えるものですが、夏らしい爽やかなもの、冬らしい少ししっかりとした温かみのある色合いのものなど、その季節に合わせていくつか持っていると、お稽古が楽しくなりますね。

また、着物とおそろいの数寄屋袋、懐紙入れとおそろいの数寄屋袋、などとセットで販売されているものもあります。統一感があり、ワンランク上のオシャレが楽しめるかもしれません。

実は手作りもできる!数寄屋袋

数寄屋袋はご自分で作られている方がいらっしゃるのも魅力の一つです。なかなか好きな柄が見つからない、などという方はハンドメイドにチャレンジしてみるのも良いでしょう。実際のお茶のお稽古で、ハンドメイドなさった数寄屋袋をお使いの方もいらっしゃいます。

作成も難しいものではありません。作り方が載った本も多数出版されていますし、インターネットで検索するとたくさん出てきます。直線に縫うだけの形なので、お裁縫をあまりされない方でも、作りやすいと思います。

基本的な大きさは大体21㎝(横)×15㎝(縦)×3㎝(幅)が一般的に使われていますが、ご自身の使いやすいように調整してもいいでしょう。
お気に入りの生地を探すのはもちろん、古くなった思い出の着物のリメイクとして、などとハンドメイドならではの楽しみもあります。

ご自身で作ることによって愛着もわきますし、様々な柄に挑戦することができます。1つは購入したもの、もう一つは手作りしたもの、といったように複数を使い分けるのも良いですね。

こんな使い方も素敵!数寄屋袋の日常使い

<クラッチバックとして>
よく日常使いでされているのがクラッチバックとしての利用です。和装の際の使用はもちろんのこと、洋装にもしっくりくるのがとても魅力的です。シンプルな装いに和柄、またオリエンタルな柄を選ぶことで一気にオシャレ度が上がりますよね。様々なシチュエーションで使えること間違いなしです。

<バッグインバッグとして>
大きなバッグを使う際、中身がぐちゃぐちゃになりやすいのが悩みですよね。数寄屋袋を使えば、バッグの中も整理整頓が可能です。バッグインバッグはそれこそ、整理整頓するためのもので、そこまでオシャレなものを求める必要はないものです。でも出すたびに嬉しくなるような柄がバッグに入っていると、日常が少し素敵になりますよね。

<タブレットケースとして>
数寄屋袋の平均的な大きさは大体A4を半分に折ったサイズくらいです。実はその大きさ、小さめのタブレットがスッと入ってしまうのにちょうどいい大きさなのです。素敵な柄の数寄屋袋から取り出すタブレットに注目されることもあるでしょう。

これはOK?数寄屋袋のルール

<着物のお太鼓部分に入れて持ち込むのはOK?>
正式なお茶席の際には茶席に数寄屋袋を持ち込まない、と書きましたが、数寄屋袋を着物の帯のお太鼓部分に入れて茶席に入られる方がたまにおられます。貴重品などを数寄屋袋に入れて持ち込んでおられるのだと思います。

NG作法ではありませんが、教えて下さる先生によっては、あまりスマートではないやり方という認識の方もいらっしゃいます。手荷物は荷物置き場に預けますが貴重品はご自身で管理する必要があります。では貴重品はどうすればいいのでしょうか?

お財布・携帯・身に付けていたアクセサリーなどの貴重品は、お財布は小さいものに入れ替え、携帯はサイレントモードまたは電源を切った状態、アクセサリーは小さいポーチに入れ、【着物のたもと】に入れて持ちこまれている方が多くいるようです。

いずれにせよ、このような場合はどうすればいいのかを事前に先生に確認しておくと、不慣れな茶席の場でも戸惑いなく対応できますよね。

<数寄屋袋に替えの足袋を入れるのは?>
茶席に入る前に、履いている足袋が汚れていたら、履き替えるのがマナーです。その替えの足袋を数寄屋袋に入れていらっしゃる方もおられますが、本来、足袋は専用の足袋入れというものがありますので、そちらを利用することをおすすめします。
茶道のお教室にもよりますが、数寄屋袋に足袋を入れることをあまり良しとしていないお教室もあるようです。

数寄屋袋の生地の特徴

<どんな生地が主流?>
数寄屋袋には特に、これ!という生地はありません。ご自分のお好きな生地でできたもの、またはお作りになられたものをお使いになるのがいいでしょう。

西陣織・龍村美術織物などのしっかりとした織物でできた数寄屋袋は、少し高級品ではありますが、世代を超えて人気です。

<駄目な生地はある?>
決まった生地がないように、使用不可の生地もありません。柔らかい生地・少し固めの生地、など様々な生地の中で、ご自身の手にしっくりくるものを選ばれるといいでしょう。

<地味目がいい?派手目がいい?>
インターネットで検索していただくとよく分かりますが、数寄屋袋の柄は本当に様々なものがあります。帯の派手な部分から作り上げた見事な柄のもの、絹の美しさが強調されるシンプルなもの。

正式なお茶席だからと言ってシンプルなものを選ぶ必要もありません。お茶のお稽古やお茶席で、数寄屋袋のオシャレを十分に楽しんでください。

最後に

いかがでしたでしょうか。一言で「数寄屋袋」といっても、その名前の由来、使い方、応用の仕方は様々で、一見敷居の高そうな和小物ですが、私たち日本人の生活に根付いた使いやすさは、今も昔も変わらないようですね。

日本の茶道は道具一つとっても、とても芸術性のある素晴らしいものばかりです。数寄屋袋はその中でも、日々の生活に取り入れやすい、とても重宝するアイテムだと思います。難しく考えず、まずひとつお手に取られて、その使い勝手を実感してほしい、そう思います。

 

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