ドナルド・キーンさん 日本を誰よりも愛した人
ドナルド・キーンさん お会いしたかった
こんにちは。
とっても悲しいお知らせ。
日本と日本文学をこよなく愛し、晩年は日本に帰化したドナルド・キーンさん。
そのキーンさんが24日、96歳で亡くなられました。
日本語はもちろん達者。
多くの日本人文学者と親交を深められ、英語と日本語両方で執筆され、海外に広く日本文学を紹介するとともに日本人に古典文学の魅力を再認識させてくれました。
ありがとうを世界中に
Arigato all over the World
日米関係の雲行きが怪しくなった1940年、18歳だったキーンさんがニューヨークの書店で「源氏物語」の英訳書を手にしたのが日本文学との最初の出会い。
平成23年、東日本大震災発生直後に日本へ帰化することを表明されました。
日本永住にあたり、鬼怒鳴門=キーン・ドナルドという当て字を考案。
鬼怒川と鳴門海峡にちなみ、「怒」の字を2回読む凝りようです。
文学作品の研究・翻訳のほかに、キーンさんが新天地を見せたのは2001年、79歳で刊行した評伝「明治天皇」です。
上下2冊合わせて1000ページを超える大著。
1945年の敗戦後に天皇が「人間宣言」をしてもなお、それまで日本には明治天皇を人間として描いた評伝はありませんでした。
キーンさんは国際感覚を持った一人の人間が「神」としての役目を務めあげた生涯を、膨大な資料に基づいた丁寧な筆到で、冷静に書き綴られました。
ありがとうございます
キーンさんの養子、キーン誠己さんが報道陣に向けて
「父は苦しむこともななく、穏やかに永遠の眠りにつきました。自ら選んだ母国で日本人として、日本人の家族を持ち、日本に感謝の気持ちをささげつつ、幸せに最後の時を迎えました。日本文学に生涯をささげ、日本人として日本の土となることが父の長年の夢でしたから、この上なく幸せな一生だったと確信しています。」
との談話を発表されました。
今日も最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
ドナルド・キーンさんご冥福をお祈りしますとともに、日本の素晴らしい文化の弥栄を誓います。
参考
産経新聞「日本のことを考えない日はなかった」
NIPPON.COM「偉大なる文学者、ドナルドーキーン」
毎日新聞「養子のキーン誠己さんが談話「穏やかに永遠の眠りに」