国宝修理は平成30年度から国産漆使用へ
漆は日本の文化の象徴の1つ
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文化庁は、生産量が減少している国産の漆の保護にも役立てようと、平成30年度から、国宝などの建造物の修理の際には、すべての工程で国産の漆を使うことを目指し、生産に携わる人材の育成などを進めることにしています。
国産の漆は、需要が減っていることに加えて、中国などからの安い輸入品に押され、年々、生産量が減少していて、おととしの生産量は1トン余りと50年前の10分の1になり、日本の漆作りの伝統が失われかねないという指摘も出ています。
こうしたことを受けて、文化庁は、国産の漆の保護にも役立てようと、国宝や重要文化財に指定されている建造物の修理の際、国産の漆の使用を増やすよう、近く都道府県の教育委員会に通知する方針です。
国宝などの修理には、現在、国産と外国産を混ぜた漆が多く使われていますが、通知では、今後、上塗りと中塗りと呼ばれる仕上げの工程には国産の漆を使うよう求めることにしています。
そのうえで、文化庁は、平成30年度からは、修理のすべての工程で国産の漆を使うことを目指し、必要な漆の量を調べて増産に取り組むとともに、生産に携わる人材の育成などを進めることにしています。
文化庁は、「『漆』は英語で『japan』と訳されるように、日本の文化の象徴の1つであり、国産の漆の生産を後押ししていきたい」としています。
(文:NHK NEWS)
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