本 「仏法の種まき」 著:薬師寺管主 村上太胤
新しい花を咲かせ続けてきた
仏教という花を咲かせ、教えという多くの種を作ったのがお釈迦さまです。
その種を遠くまで運んでいく風が、私たち僧侶です。
風が強くては、種はあらぬ方向へ飛んで行ってしまいます。
反対に風が弱くては、目的地まで種を飛ばすことはできません。
上手に風を加減しなければ、相手の心に種をまくことはできません。
そして種をまくだけでなく、種の環境を整え、きちんと目を出させることも、僧侶の役割だと思えるようになりました。
そうして、お釈迦さまが亡くなった後も二千五百年もの間に種は世界中に飛んでいき、誰かの心に根づき、新しい花を咲かせ続けてきたのです。
この本から学ぶことにより、私たちが今、何をすべきかがわかってくるはずです。
ただし、頭で理解しただけでは、教えを学んだことにはなりません。
自分をよくするために、さらに、まわりの人が幸せになるるように教えを行動として実践していく。
それがお釈迦さまの種まきのお手伝いをすることになるのです。
この本が、仏法の素晴らしさを再認識していただく一助となれれば幸いです。
合掌
本「仏法の種まき」著:村上太胤の「はじめに」より