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迷った時は原点に立ち戻るのが鉄則3 「先義後利(せんぎこうり)」

 

昨日の続き。

元春日大社権宮司・岡本さまより。

 

それから、こんなこともあります。

現在、春日大社では二千基に及ぶ石灯籠の精密な調査を行っていますが、ここでも日本人の特質を垣間見ることができます。

昭和五十七年に、はじめて石灯籠の祈願文に「商売繁盛」という言葉が使われるようになります。

それ以前は、「商売繁盛」という祈願のために寄進された石灯籠は一基もなく、「諸国客衆繁昌」という銘文が刻まれたものが数基あるだけです。

「商売繁盛」は「自分が繁昌しますように」という願いですが先議」は「お取り引き先様がお栄えあそばされますように」という意味になります。

昔の人は「先義後利(せんぎこうり)」、つまり、先に道徳があって、あとで利益がついてくると考えました。

先に人様がお幸せになったら、自分にも必ずそれがまわってくる。

だから自分が儲けることよりも、相手を幸せにすることを一番に考えたのが、日本人の商道徳だったのです。

銘文が変化する昭和五十年代は、ちょうど日本は高度経済成長期を迎え、いかにして利潤を得るかを優先するようになった時代でありました。

そのあたりから、日本人の考え方も著しく変化してきたのです。

よりよい生き方を目指すためには、歴史を学ぶことは欠かせません。

しかも、人間は同じことを繰り返します。

歴史もまた、忘れた頃に繰り返すといいます。

そのときはこうしなければいけないという堅い決意も、五十年、六十年と経つうちに事情を知った人はこの世を去り、だんだんとゆるんできて、同じ失敗を繰り返す。

経験に裏付けされた先人の知恵を学び、そこから得た生き方を実践していくことほど、大事なことはありません。

自分の国の歴史を知り、伝統や文化、そして自分自身の誇りを取り戻す。

まずは、そこからはじめたいものです。

(文:「日本人だけが知っている 神様にほめられる生き方:元春日大社権宮司 岡本彰夫著)

 

私もお火焚きさんの護摩木に「商売繁盛」「家内安全」と書いてます。

「先義後利」

少しは先人たちの行いが分かったつもりでいたけど、とんでもない。

まだまだ自分勝手な人間でした。

とってもいい学びができました。

でも、この数十年でこの変わりよう。

もう、これ以上変わってはいけない、止めなければ。

そして、変えていかなければ。

出来ることから一つづつ。

 

 

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