和の心 お社は自然と人間の聖なる出会いの場

お社(やしろ)といいますと、今は、神さまが鎮まる御社殿という意味でとらえていますが、古いことばの意味ですと、建物を建てる場所という意味であって、必ずしも建物ではないといいます。
これは歴史的に実証できることではないのですが、「万葉集」の歌など、いろいろなものから考証できるのです。
ですから、お祭りのときには簡単な建物を建てたりしますが、ふだんは聖なる場所として、例えば、注連縄(しめなわ)を張ったりして、中へ入ってはいけませんよ、というように、禁足地といいますか、そういうふうに囲っておく場所がお社であると理解されるといいのではないでしょうか。
社は、もと屋代(やしろ)ですから、苗代(なわしろ)とか、糊代(のりしろ)とか、そういうような言葉から見ると納得できるのではないかと思います。
このように、かなり永い間、常設の御社殿をもっているお社は、それほど多くはないのです。
西暦927年に編纂された「延喜式」という法律書がありますが、その中に、中央の政府や地方の政府がお祀りをしてさし上げるという由緒あるお宮のリストがあり、それによると、全国で2862社あります。
それらの中で、神宮(かむつみや)といいますと神宮ですが、神宮という名前を使っていますお社は全国で8社しかありません。
あとは全部、神社(かむつやしろ)といいます。
社という言い方ですから、おそらく、10世紀はじめまでは、浄らかで神聖な森はあったとしても、常設の社殿を持たない神社の方が、圧倒的に多かったのではないかと推定できます。
(文:神道の世界:薗田稔)
自然の中に神聖さを感じませんか。
そこは神が宿る聖なる場所。
気持ちのいい場所。
癒される場所。
日本にはたくさんの聖なる場所があり幸せですね。
ありがとうございます。
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