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「聖観音」 浄住寺の観音さま

 

聖観音さま in浄住寺

 

浄住寺が、この18日から秋の特別公開となります。

そこで浄住寺の宝ものの一つ「観音さま」をご紹介していきたいと思います。

私は3尊(聖観音・木根観音・白衣観音)いらっしゃる観音さまが大好き。

今日は「聖(しょう)観音」のお話し。

 

 

お地蔵さん、お不動さんなどと並んで最も庶民信仰を集めてきたほとけさまが観音菩薩(または観世音菩薩、観自在菩薩)です。

救いを求めるものの姿に応じて千変万化(せんべんばんか)の相をとり、慈悲をもって人々の願いをかなえるほとけとされます。

一般的には現世利益のほとけですが、浄土教では現世だけでなく来世の救済にも利益があるとします。

勢至菩薩(せいしぼさつ)とともに阿弥陀如来の脇侍となる三尊形式も多く見られます。

千変万化相の代表例である「三十三身(さんじゅうさんじん)をもとに種々な変化観音が生まれたため、元々の変化しない一面二臂(いちめんにひ)の観音さまを聖観音(または正観音)とし、あらゆる観音の根本にいちづけることもあります。

 

 

宝冠に蓮華の花、そして水瓶

 

阿弥陀如来の脇侍なので、宝冠には阿弥陀の化仏(けぶつ)を戴いてます。

この化仏は観音共通のシンボルです。

そして右手に蓮華の花、左手には水瓶(すいびょう)を持ちます。

日本最古の仏像は飛鳥時代のものです。

人気は当時から高く、仏教説話集「日本霊異記」や「今昔物語」にもたくさんの話が収められています。

人気の理由は現世利益的なところ。

その名を唱えれば火難など七つの災難から逃れられ、念じれば三毒が離れるそうです。

 

観音さまの救いとは?

 

観音菩薩の救いの根拠とされる経典が観音経や般若心経です。

観音経では、観音菩薩の名を唱え礼拝すれば、唱えた人に応じた姿(三十三観音)で救済するとし、またその力はあらゆる方角に及ぶといいます。

では、どのような現世的苦痛から救ってくれるかというと、火難、水難をはじめとする七難、そして三毒、「貧(どん)」(食欲)、「瞋(じん)」(いかり)、「癡(ち)」(ぐち)という三つの煩悩のから離れられるとしています。

たとえば「観音菩薩の名を聞き心にとどめていれば、たとえ大火に落ちても水から救われ、大水に流されても浅い場所に行き着く」「観音菩薩は恐れおののく者の恐怖を取り除く」など、さまざまな救いの内容が記されています。

>現代風に読み替えれば、物理的な救いではなく心理的な救い、つまり観世菩薩を祈念しその御名を唱えることで「必ずよい結果となる!」との確信が得られ、そのことが現実の出来事をも左右するということでしょうか。

観音さまに祈る現代的な意義とはまさにそういうことなのです。

 

参考
本「日本のほとけさまに甘える」 著:大江吉秀
本「日本の仏さま」 著:日本の仏研究会

 

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