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唐草葵  家紋研究家 森本勇矢さん

唐草葵(からくさあおい)

京都に天使社とかつて呼ばれていた「五條天神宮」という少彦名命(スクナヒコナノミコト)を主祀神とする神社がある。
こちらの神紋は「唐草葵」と伝わる。
少彦名命は記紀神話によると、大国主の国造りの際、浪の彼方の黄泉の国より天乃羅摩船(アメノカガミノフネ)に乗って来訪したという。
その姿は非常に小さく、蛾の着物、もしくは蛾の羽を持っていたともいわれる。少彦名こそが『一寸法師』のモデルであるとされる。

 

 

薬祖神として知られるが少彦名は酒の神としての一面や中国の神農(しんのう)と習合した「しんのうさん」としても知られる。
天乃羅摩船の「羅摩(かがみ)」とは「ガガイモ」の古名。ガガイモは白蘞(ビャクレン)、鏡草(カガミグサ)とも呼ばれる蔓植物である。
ガガイモは「イモ」と名付けられているが、成る実がイモのような形状をしているということに由来する。この実は真っ二つに割れるが、その様子が船のようでもある。このガガイモの実に乗って少彦名はやってきたのだという。
つまりこの神紋はガガイモを象った紋の可能性が非常に高い。
この紋は「蔓付三つ葉蘿摩(つるつきみつばかがみ)」と私は名付けた。
(2015年12月3日  Instagram投稿)

【彩紋】
上絵一色、目返し四色、地色一色
#家紋

著書:日本家紋大辞典

 

 

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