百獣の長☆ ときめき☆歌舞伎 第71回
「石橋」は、「いしばし」ではなく、「しゃっきょう」
先日、久しぶりにお能を観に行ってきました。
お能は、まだ数回しか観劇したことがない初心者。
けど、歌舞伎と同じ演目があるとなんとなく安心します(笑)
この日も、「石橋」があったので
楽しく観劇しました~☆
◆「石橋」?
「石橋」は、「いしばし」ではなく、「しゃっきょう」と読みます。
歌舞伎に「石橋」という演目はないですが
けど、たぶんみなさんよくご存じ。
大人気の演目です。
白(もしくは、赤)の長い毛を振り回す、アレ!
そう、アレです!!
その「アレ」の正体は、「獅子」です。
11月の南座顔見世興行でも
松本幸四郎さんと市川染五郎さん親子の
連獅子があります!
楽しみですね~♪
ちなみに、こちらは松本金太郎(現染五郎)初舞台のポスター。
かわいい~☆
9年前です。
連獅子は、大人気の演目です。
お能から歌舞伎舞踊になりました。
前シテは、狂言師右近と左近。
後シテは、獅子の精。
通常、白い毛の親獅子と赤い毛の仔獅子ですが、
仔獅子の数が増えたり、
母親獅子が登場したり、
いろいろな趣向で演じられます。
獅子が登場するのは、「春興鏡獅子」など他にもたくさんあって
「石橋物(しゃっきょうもの)」といわれています。
中国清涼山に文殊菩薩様は、いらっしゃいます。
清涼山へ行くには深い谷に架かる、一本の細い石橋を渡らなければいけません。
人間では、無理。
文殊菩薩の遣いの獅子は、
清涼山から降りてきて、その石橋のあたりで戯れているようです。
◆獅子と牡丹
連獅子の歌詞には
それ牡丹は百花の王にして 獅子は百獣の長とかや
桃李にまさる牡丹花の~
虎豹に劣らぬ連獅子の~
と、あります。
「石橋物」は、
どの舞台にも必ず牡丹の花があしらわれます。
お能もそうでした!
百花の王とうたわれる
この、堂々とした咲きっぷり!!
わたしも好きな花のひとつです☆
けど、なぜ牡丹?
華があって舞台栄えするから?
品格があるから?
中国っぽいから?
実は、百獣の長の獅子には、弱点があったのです!
それは、自分の毛の間に潜む虫!
この虫に寄生されたら、皮を破り身に穴が開き死に至るそうです。
けど大丈夫。この虫、
牡丹の花に溜まった夜露に触れると死んでしまうんですって。
だから、獅子は牡丹の花の側で戯れているですね~。
お寺の襖絵などにも獅子と対で牡丹が描かれています。
舞台栄えの問題ではなく、
生死にかかわる問題でした。
※獅子は、空想の動物です(笑)
ありがとうを世界中に
Arigato all over the World