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「葛の葉(その1)」 歌舞伎のよこ道あるき♪ 第2回

歌舞伎のよこ道あるき♪ 第2回

葛の葉(その1)

 

松竹座七月大歌舞伎 夜の部ひとつめの演目

芦屋道満大内鑑 葛の葉。

ご覧になられましたか?

 

物語良し、早替り、妖術、曲書きとみどころたっぷり!

わたしも、大好きなお芝居です☆

 

◆なぜ、狐?

 

安倍晴明の母は、狐だった!

という、晴明の出生にまつわるこの物語。

 

 

時蔵さんの狐葛の葉。

手が、狐さんになっていますね。

 

Webサイト歌舞伎美人 七月大歌舞伎のみどころには、

“陰陽師の安倍保名に命を救われた白狐は、

保名の許嫁である葛の葉姫に化けて夫婦となり童子という子をもうけます。”

と、紹介されています。

 

なぜ、白狐?

猿とか、狸じゃダメなの?

そうなんです。

白狐でないと、ダメだったんです!!

 

 

芦屋道満大内鑑は、もともと人形浄瑠璃の作品です。

全五段。

葛の葉は、四段目の前に当たる部分です。

場所は、阿倍野の里。保名の住まい。

ですが、宮中(大内)のお話なんです。

タイトルにも「大内」と、しっかり書かれています!

 

時代は、平安の朱雀帝。

東宮桜木親王にはふたりの后がいました。

が、子には恵まれていません。

躍起になる正室の父、橘元方(外戚をねらう、めっちゃ悪い人)が

桜木親王(自分の娘)に男子の生まれる方法を芦屋道満に占わせます。

その答えが

「白き女狐の生き血を御息所の寝所下の地中に埋め

吒枳尼(だぎに)の法を行えば若宮懐胎の疑いなし」

でした。

 

!!!

これかっ!

皇子誕生に白女狐の生き血が必要だったんです!!

 

橘元方は、家来に白狐探しを命じます。

家来のひとり石川悪右衛門(名前からして悪い人)は、

自分の所領(信田・大阪府和泉市信太)には

狐穴がたくさんあるから、お安い御用!

という訳で、信田で狐狩りが行われたんですね。

 

保名も宮中で働いていたのですが、

別の事件で気が狂ってしまいます。

狂ったまま都を出て、フラフラ~っと信田まで~。

って、けっこうな距離ですけど!

そして、追われる白狐を保名は助けるのです。

あっ。狐を救ったときは、正気に戻っています。

 

 

5月にずっと、気になっていた

信田(信太)の森へ行ってきました~☆

聖神社の神域で、現在は森の中へ入ることはできません。

けど、森の中には保名と狐が出会った道が残っているそうです!

 

手前の池は、鏡池と呼ばれているのですが、

母狐と子(童子)が別れた場所としても、言い伝えが残る場所です。

雲ひとつない晴天。新緑の森。

とは、うらはらな切ない伝説の場所でした。

 

 

七月大歌舞伎観劇ツアー ときめき☆歌舞伎塾

みなさんで狐葛の葉ポーズで記念撮影しました(笑)

妖術、使えるようになったかな?

 

 

2019(令和元)年7月 安積美香

 

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