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山田法胤師 法相宗大本山薬師寺管長

 

薬師寺での新年お茶会でお会いさせていただいた山田管長。

素敵なお話をいただきました。

今日の産経新聞の朝刊に素敵なお話が掲載されていましたのでご紹介します。

 

唯識教学では、人間は先祖の血を受け継いで本来的に持っている「種」と、生まれてから今日まで自信が体験して身のうちに積み重ねた「種」の2種類の種を持っていると考え、前者を「本有種子(ほんぬししゅうじ)」、後者を「新熏種子(しんくんしゅし)」と呼びます。

そして、生まれ故郷を愛しいと思う感情のように、意識せずとも身のうちに染み込んでいくことを「熏習」といいます。

いわば無意識の人格です。

人間は何十代にもわたる先祖からの先天的な血筋と、自分が生まれてから蓄積した経験によって熏習されてそれぞれの人柄を育み、また国柄を体に染み込ませているのです。

日本人は2千年の日本の歴史に熏習されて日本人に育ち、フランス人やイギリス人も同様に熏習されてそれぞれの国民として育っている。

その国民としての総体が国柄です。

古来、日本は稲作の国です。

宮中では天皇がその年の新穀を伊勢神宮に奉る神嘗祭と、天皇が新穀を神々に供え自らも食す新嘗祭が執り行われています。

日本を「和」の国、日本人を「大和民族」と呼ぶ「和」の字の「禾(のぎへん)」は「米」で、日本人全員が同じように「口で米を食べる」ことを表しています。

天皇から国民一人一人まで皆、同じ米を食べる血が私たちの体に流れ、日本の国柄になっているということを、21世紀の日本人の生き方を考える上でぜひ覚えておいていただきたいと思います。

(文:産経新聞2016年2月10日 中央大学・産経新聞社寄付講座から再構成)

 

「熏習」、始めて知りましたがとても素敵なことですね。

脈々と続く先祖からの血、自分が生まれてからの血、大切にしたいものです。

 

 

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