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「足るを知る」忘れた日本へ 2

 

先日に続いて。(先日のお話し・https://wanosuteki.jp/post_14358

 

茶道を通じて「日本の心」を世界に伝えてきた。

茶道裏千家の千玄室前家元は93歳となったいま、この国の行く末が心配でならない。

日本人が日本人らしさを見失っていると思う。

集大成のメッセージを新著「日本人の心、伝えます」(幻冬舎)に込められました。

 

先の大戦で、海軍の航空隊に入り、特攻隊員として”死の淵”を覗いた。

多くの仲間を亡くし、自分だけが生き残ったという罪の意識がずっと消えなかった。

悲惨な戦争を二度と起こしてはならない。

だからこそ「一盌のお茶」から世界平和へのメッセージを込め、地球規模で熱心に活動を続けてきたのだ。

一方で、いざというときは「自分の国は自分で守らねば」という意識は人一倍強い。

戦後70年余りたち、日本にその力は十分にある。

ただし、世界に誇示するのではない。

しぜんに認めてくれるような穏やかな国になれればいい、と願う。

「特攻隊の話をすると「怖くなかったか」と聞かれる。それは怖いですよ。出撃が迫って無性に母に会いたくなり、京都の方に向かって「お母さん」って叫びました。みれば仲間もみな涙をぼろぼろこぼしながら叫んでいる。愛する家族が助かるなら自分は犠牲になってもいい。その気持ちだけでした。それがひいては「(愛する)国を守る」ということにつながるのではありませんか。」

若者たちと対話すると、希望がない、夢が描けないと嘆かれることが多い。

「希望や夢は自分で見つけるものですよ。そのためには「前向き」にならねばいけません。それに嘆いている彼らだって、三度の食事は食べられる、寝床もある家もあるでしょう。そのことにまず感謝すべきです。「足るを知り」、自分の生きる道を見つける。それが「幸せ」です。」

心配なのは若者ばかりではない。

最近はお年寄りにも突然キレたり、マナーに欠ける人はいる。

「人はみな年を取り、枯れてゆきます。どうせ枯れるなら、前を向き、「花咲く老後」にしたいではありませんか。私はもう自分の年を忘れました(苦笑)。生かされていただいていることに感謝を忘れない。今日を大切に生きることで明日があるのです。」

(文:産経新聞、2016.05.23の記事より)

 

日本の人口の内、85歳以上の男性は150万人。

戦争体験を語っていただける方はどのくらいいらっしゃるのでしょうか。

あと10年すると、ほとんどいらっしゃらなくなるのでしょうね。

現代社会を一緒に生きながら何を思われているのでしょうか。

「足るを知る」、これ以上何を求めるのでしょうか。

いつも、いつも、あらゆることに「ありがとうございます」って思いながら生きていけたらいいですね。

そんな毎日が来ますように。

今日も、ありがとうございます。

 

 

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